カタール航空への就職/転職はアリ? 元社員による口コミ・評判

本レビューは、元社員による寄稿を、公益の観点からネガティブな内容も含め掲載しています。レビュー内容は一個人の見解であり、当該企業がブラック企業かを断定するものではありません。

悩んでいる女性

カタール航空は中東のカタールの首都ドーハに位置するハマド国際航空をハブとしている国営の航空会社です。日本には成田空港と羽田空港に就航しており、主にヨーロッパ、アフリカ、中南米へ渡航する際に利用する日本人も増えています。

日本人のカタール航空への就職は客室乗務員、もしくはパイロット職としての勤務がほとんどと言っていいでしょう。採用が決まれば、社員は全員カタールのドーハへ居住することが条件となっています。

ここでは2017年から2021年の4年間、日本人客室乗務員として勤務していた私がカタール航空は就職をする上でおすすめな会社なのかについて詳しくお話ししていきます。

カタール航空」の基本情報

英文社名 Qatar Airways
本社住所 カタール国ドーハ、エアポートロード、アルマナビルディング、タワー1
創業年日 1993年11月22日
資本金額 非公開
上場市場 非上場
従業員数 約50,000名(2020年5月1日時点)

年収は少ないが福利厚生が充実している

カタール航空の年収は担当ポジションによって変わってきます。担当ポジションとはエコノミー、ビジネス、副パーサー、パーサーの4つです。

例えば、入社1年目のエコノミークラス担当の乗務員の場合は、日本円にして約300万円です。ビジネスクラス担当の場合は約330万円ですが、エコノミークラスからビジネスクラスへはおよそ2~4年で昇進します。

カタール航空の客室乗務員にはボーナスがなく、年間で1,000時間ほどのフライトと他の航空会社に比べて多いにも関わらず、年収は低いように感じます。

また2021年10月時点で、給与の一部が減給されているため、仕事量と仕事内容と給料が比例しないのは事実としてあります。

しかし、カタール航空の福利厚生は充実しており、水道代、光熱費を含む居住費、また会社と自宅までの交通費は全て会社負担となっています。さらに所得税がないため、固定費もほぼ無料で実際に手元に残る金額は悪くはないです。

有給は年30日あり、リクエスト制で事前に休暇の予定が立てやすくなっています。

残業時間はない

カタール航空の客室乗務員としては、残業時間はないと言っていいでしょう。ただし、飛行機の遅延や予期せぬ事が発生した場合には勤務時間が長引くことはあります。

給料の内訳に乗務手当というものがあり、これは飛行機の扉が閉まってから目的地に到着するまでに支払われるものです。地上での遅延で発生する勤務時間はこの乗務手当には含まれないため、いわゆる残業代が発生しないことは留意すべき点です。

私の経験談として、天候悪化により地上で4時間お客様を乗せたまま機内待機を余儀なくされたことがありました。離陸後のサービスを提供したり、クレームへの対応で追われた4時間でしたが、飛行機の扉が閉まっていませんのでこの場合にも給料は発生しませんでした。

大きなスキルアップが見込めない

客室乗務員の仕事は、大きく保安業務とサービスの2つです。乗客を安全に目的地まで運ぶ、また体調が悪い方には救急手当を施すなど、命に関わる業務という点では責任感は大きい仕事です。

しかし、サービス業務を含め、仕事内容は入社時から常にルーティン化されており、マニュアル通りに業務をこなせば良い、いわば機械的な仕事とも言えると思います。コミュニケーション能力やサービススキルはある程度向上しますが、大きなスキルアップは見込めないのが事実です。

そのため、日本人乗務員は2~5年ほど世界中を訪れながら収入を得るために、カタール航空で働くという目的で入社する人が多いです。また、入社年齢としては22~28歳が目立ち、日本人は日本での転職を見据えて30歳までに帰国するというパターンがよく見られます。

プライベートの規則が多い

就業上、社員として守る規則はあって当然ではありますが、カタール航空の客室乗務員はプライベートでも規則が多いです。

例えば、フライトの12時間前は外出禁止、門限がある、外泊が禁止されているなどです。これらは全てシステム上で管理されているため、まるで学生寮で生活を管理されているような圧迫感やストレスを感じます。

これらの規則を破った場合には、解雇通知を受け取ることも珍しくはありません。

また、結婚をする際には5年以上の勤務、尚且つ会社に許可を取らなければならず、結婚を機に退職をする乗務員が多いのが現実です。

日本人は必要以上に働かされる

カタール航空の客室乗務員は世界130カ国以上の多国籍で成り立っています。

仕事がある有り難さを感じながら勤勉に働く日本人とは違い、最低限以下の勤務態度で働く国籍の乗務員は意外にも多くいます。日本人は責任感が強いため、お客様に迷惑をかけまいと必要以上に働く習性を逆手に取り、日本人に仕事を押し付ける乗務員には何度も出会いました。

さらに、カタール航空には客室乗務員同士のレポート文化が根強く存在しています。これは業務中の予期せぬ出来事の他に、社員の業務態度を上司がレポートを作成して会社に報告するというものです。

内容次第では、トレーニングの再実行や業務停止も起こり得ます。自分は楽をしたいがために、命令に従わない乗務員は会社に報告するなどと脅すような上司も少なくありません。

そう言った意味で、ハラスメントは存在すると言えるでしょう。ブラック企業レベルは全体的に低いと言えますが、常に上司からのハラスメントに怯えて業務をする点は否めません。

カタール航空の総合評価まとめ

カタール航空の就職/転職おすすめ度は、5段階評価で表すなら5です。

【参考】就職/転職おすすめ度とその目安

  • 5…ほとんどの人にお勧めできる会社です。
  • 4…多少のストレスは許容する必要があります。
  • 3…強いストレスへの耐性がない場合はお勧めできません。
  • 2…過酷な労働を愛する人以外にはお勧めできません。
  • 1…すべての人にお勧めできません。

150以上の世界の就航都市へ収入を得ながら、多様な文化や国籍の社員に囲まれた環境で働きたいという人にはおすすめできます。

しかし、業務内容と年収が割りに合わないことやプライベートにも及ぶ規則を許容しなければいけない点でストレスや不満を感じるでしょう。

長期的ではなく2~5年の短期的に勤務し、経験として入社するならおすすめできます。

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