部下や後輩から不満をぶつけられたときの対処法 – 信頼を失う上司とは

マネージャーをしていると、ときに部下から不満をぶつけられることがあります。それは、自分のマネジメントに落ち度があった場合でも、なかった場合でも、起きうる事象です。

そして、突如訪れるそのときに、適切な対処が行えないと、一気に部下からの信頼を失う可能性があります。

今回は、部下がどのような気持ちで上司に不満をぶつけてきているのかを明らかにし、上司として失望されないための対処法をご紹介します。

自分に対しての不満への対処法

部下が訴えてくる不満が、自分に対してのものであり、その内容に妥当性があった場合、大切なポイントは、非があれば素直に認めつつも、平身低頭して謝罪することは避け、上司としての立ち位置は守ることです。

部下の目的は、自身の正しさを上司に認めさせ、行動を変えさせることです。妥当性がある提言であるならば、当然それは受け入れましょう。しかし、その際に、部下に対して率直な謝罪を行ってしまうと、部下が上司に対して、精神的な優位性を感じてしまう可能性があります。素直なのは美徳ではありますが、人間は一度相手に精神的な優位性を感じてしまうと、その序列を覆すことは難しく、今後の上司から部下へのマネジメントに支障をきたしかねません。提言は受け入れつつ、精神的優位性を与えないように対処する必要があります。

具体的なやりとりの一例を記載しますので、ご参考にしていただければ幸いです。

部下「○○なのはおかしいと思います。●●してほしいんです」

上司「わざわざ提言してくれてありがとう」
※謝罪よりも提言への礼を述べる方が好ましいでしょう。

上司「○○になっていたのは、△△という理由があってのことではあるが、今回もらった視点でもっとよい方向に進められると思う」
※改善できていなかった正当な理由がある場合は、述べておきます。言い訳ではなく、業務的な観点で優先度を下げていたなどのことをきちんと伝えられるとよいでしょう。また、提言を一意見として受け入れ、前向きに改善する意思があることを伝えます。

上司「具体的には、××というふうに進めていこうと思う。どうだろうか」
※具体案を主導権を持った形で提示し、部下の意見も尊重する意思を示します。

なお、プライドが邪魔をして、提言に妥当性があるのに受け入れない上司が数多くいます。何のメリットもない行為です。注意しましょう。

会社や組織に対しての不満への対処法

部下が訴えてくる不満が、会社や組織に対してのものであり、その内容に妥当性があった場合、大切なポイントは、決して他人事として語らず、問題意識に共感を示すことです。

会社や組織に対しての不満を上司にぶつけてくる部下は、上司をある程度信頼しており、会社や組織のことなど、誰に言っても変えられないことだと半ばわかっていながら、愚痴のような形で伝えてきていることが多いものです。ある種、甘えてきている状態だと言えます。話を聞いてもらい、気持ちを共有することが目的であると言えるでしょう。この場合、共感性を持って応対するのが正しい判断です。

気持ちはわかると伝えた上で、なぜ会社としてその問題を放置しているのかを経営者側の視点で説明してあげましょう。説明が難しい場合は、なぜ問題が放置されているのかを自分たちの問題として一緒に考え、自分たちにできる改善案について話し合うのがよいでしょう。そんなことは自分には関係ないことだという態度をとる上司が数多くいます。それは、部下の信頼を裏切る行為となることでしょう。

不満の内容に妥当性がない場合

不満の内容に妥当性がない場合であっても、部下は自分の意見が正しいと思い込んでいます。懇切丁寧に、話を聞き、何がどう間違っているのかを説明しましょう。

そして、このときに大切なことは、真っ向から意見を否定するのではなく、問題意識を持ったことは褒め、その問題意識に対して、改善すべき点が提言以外の部分に存在していないかを一緒に探すことです。

部下の中には、伝え方が下手なだけで、問題意識自体は間違っていない者もいます。提言してきたからには、何かがあるはずです。その気持ちを拾い上げられるように気を配りましょう。

部下は、上司を自分と同じ一人の人間としてではなく、“上司”というラベルを貼った上で見てきます。そのようなラベリングのもと、部下の中には、上司は何でもでき、完璧であるべきだと思い込んでいる者も少なくありません。そのような完璧な“上司”には様々な不満をぶつけたくなるものです。それは、期待や信頼、甘えの裏返しでもあります。面倒がらずに、誠実に、正面から受け止めることが、先々も見据えた関係構築上、有益なものとなるでしょう。