日本電気通信システムへの就職/転職はアリ? 元社員による口コミ・評判

本レビューは、元社員による寄稿を、公益の観点からネガティブな内容も含め掲載しています。レビュー内容は一個人の見解であり、当該企業がブラック企業かを断定するものではありません。

腕を組むビジネスパーソン

ここでは、日本電気通信システム株式会社(NEC通信システム)への就職や転職を検討している方に向け、1980年から2015年頃まで実際に勤務していた元社員がNEC通信システムが就職や転職先の会社としておすすめなのか、健やかに働いて行ける会社なのか、いわゆるブラック企業では無いのかといった観点で実際のところをお伝えします。

日本電気通信システム株式会社」の基本情報

英文表記 NECComunicationSystemsLtd
本社住所 東京都港区三田1-4-28(三田国際ビル)
創業年日 1980年1月
資本金総額 10億円
上場市場 NEC100%出資
従業員数 2452人(2020年4月現在)

NEC通信システムの社風について

NEC通信システムは通信システム、主にインフラの開発専門の会社ですので、技術屋の会社と思って間違いありません。

NECというブランドイメージでわかる通り、ソニー等のエンタメが中心の会社とは社風が異なりますが、私の知る限り、富士通や日立の通信系の会社とほぼ変わらないと思います。

社風は事業部毎というより、業務内容や顧客により違ってきます。主たるお客様がNTTの様なキャリアだと、手堅いイメージになります。交換機やルーター、ネットワーク監視システム等の通信インフラの開発が主ですので、停止する事が許されないことから自然と手堅くなるのは仕方がない面もあります。

ただ、携帯やスマートフォンのアプリケーションの提案型の開発では、多少陽気な雰囲気になる場合もあります。

私が経験したある部署では、携帯向けのQRコードやICチップを使って位置情報を利用したソフトウェアの提案型開発を行っていましたが、部長が女性且つセンスが良くて、アイデア満載のシステムを考えてはお客様に提案していました。少し時代が早すぎて、今頃やっとスマートフォンで実現されている様です。

このようにうまく売れなかったシステムもありますが、常に最新のシステム開発を行えるチャンスが多いのは技術者としては面白いと思います。

NEC通信システムの残業は多い

IT系のSEやソフトウェア開発会社はどこでも残業が多いですが、NEC通信システムも残業は多いです。特に通信キャリア向けの開発は開発規模も大きいですし、高い信頼性が求められ、なおかつ納期は絶対ですから残業は普通に多いです。

ただ時代と共に残業も厳しく制限されてきていて、管理者も残業時間の管理を厳しく言われるので改善はされてきています。ちなみに管理職は年俸制なため、残業の概念がありません。ただ、一応時間管理はされています。

残業規制が無い頃は私は月に残業だけで200時間以上仕事をしていた事もありますが、現在はそのような勤務は出来ません。

NEC通信システムの年収は平均的だが、国際的に見れば高くは無い

主任から年俸制になります。残業代込で約600万円程度です。日本人の平均的な給与からすると平均的かやや高い位かと思います。

マネージャーになると、約800万円程度です。マネージャーは残業の概念が無いため、長時間仕事をする人にとっては安く感じるかもしれません。最近は全て成果主義ですから成果を出せないと年俸は上がらず、かえって下がる可能性もあるため、厳しいです。

経験的にはやっている仕事の内容が高度なため、英会話や技術関連の資格を取ったり、自己投資に結構お金も時間もかかることから満足できる給料では無いと思います。あまり成長を望まない人にとっては十分かも知れません。

海外のコンペチタと仕事をしたり、外資系の年収を聞くと日本は少ないと思った事もあります。英語が出来てアグレッシブにグローバルで活躍したいのであれば、米シスコシステムズ等の外資系に勤めた方が良いかもしれません。

NEC通信システムは人材が良い

基本的に理科系の大学卒が入って来ますので人材の質は良いです。文系も結構入って来てますが、最近は余り関係なく文系でも成長出来ると思います。最近はソフトウェア開発が主で、ハードウェアの開発自体あまり無いですし、工学系の知識がいるケースは少なくなったからだと思います。コンピュータ理論を知らなくても、ソフトウェアは開発出来ます。

どちらかと言うと入社してから、シスコ等の資格を取るケースが増えています。

合格すると会社がお金を出してくれますので、資格が必要な方は是非チャレンジしてスキルアップしたら良いと思います。

お客様相手の仕事や技術的な打ち合わせ、プレゼンテーションなど様々な報告で資料を作成してお客様に説明する事がありますので、コミュニケーションスキルは求められます。

最近はフィリピン等のオフショア開発や海外の仕事も増えて来ているため、英語力はあると心強いです。実際にはネイティブに英語を話せる人はまだ少ないです。

また、大きなシステムが多いことから、チームで仕事する上での協調性も必要となります。

NEC通信システムで成長出来るかは良いプロジェクトに恵まれるかと努力次第

ここ20年程を振り返ると技術の移り変わりが激しく、一時的に世界トップレベルを誇った携帯(FOMA等)もスマートフォンに取って変わられ、担当していたメンバーで他のプロジェクトへ移り変わるのに苦労した人も多いでしょう。

私自身は固定系のブロードバンド通信を担当していましたが、米シスコ勢のインターネット製品が主流になり苦労をしました。このように変化の激しい業界では運よく成長するプロジェクトばかり担当出来れば良いのですが、なかなかそうも行きません。

時代の変化に合わせて自分自身も変わって行かないと上手く行かない事も十分にあり得ます。変化に対応する為には常にトレンドを散り込み、資格を取ったり新しい事に取り組む姿勢が求められます。

ハラスメントは余り聞いた事が無いですが、失敗プロジェクトが続くと強い口調で怒られる事はあります。一般的な感覚で言えばブラック企業レベルは低いと思いますが、同様に失敗プロジェクトが続くと怒られてばかりで厳しい思いをする事はあります。

NEC通信システムの総合評価

NEC通信システムの就職/転職おすすめ度は5段階評価中の4です。

【参考】就職/転職おすすめ度とその目安

  • 5…ほとんどの人にお勧めできる会社です。
  • 4…多少のストレスは許容する必要があります。
  • 3…強いストレスへの耐性がない場合はお勧めできません。
  • 2…過酷な労働を愛する人以外にはお勧めできません。
  • 1…すべての人にお勧めできません。

会社のSEやソフトウェア開発の質としては高い技術でやりがいもあると思いますし、年収も平均レベル以上は期待出来ます。ただし、残業時間が長めで、最近は年俸制やみなし残業制等で労働量に応じた報酬が貰えているか疑問があります。

英語力があり、グローバルで戦い抜く心構えがある人は米シスコ等の外資系を選んだ方が良いかも知れません。