東京国立博物館への就職/転職はアリ? 元職員による本音レビュー

本レビューは、元職員による寄稿を、公益の観点からネガティブな内容も含め掲載しています。レビュー内容は一個人の見解であり、当該組織がブラックな職場かを断定するものではありません。

腕を組むビジネスパーソン

ここでは、国立文化財機構東京国立博物館への就職や転職を検討している人向けに、私が2017年から2020年まで実際にこの博物館で勤務していた経験をもとに、就職先や転職先としてお勧めなのか、健全な職場環境なのか、いわゆるブラックな職場ではないか、といった観点でお伝えします。

国立文化財機構東京国立博物館」の基本情報

英文社名 Tokyo National Museum
所在地 東京都台東区上野公園13-9
創業年日 1872年

博物館運営に携わり、そこから貴重な経験を得ることができます

そもそも私が国立文化財機構東京国立博物館に就職した理由は、博物館ではどのような仕事をしているのかに関してとても興味があったからです。私は博物館が大変好きで、小さいころからよく博物館へ行っていたのですが、そこで働いているスタッフの方が大変親切・丁寧で、しかも展示物に関していろんなことを教えてくれました。私もそんな人になって人の役に立ちたいという思いからこの職場を選んだのが理由です。

実際に採用されると、予想以上に仕事が多いことに驚かされました。展覧会の運営やイベントの企画と言った、来館者にかかわる仕事はもちろんのこと、展示物の選定や共催者との連絡調整、チケットの販売委託など、実に多くの仕事がありました。私はその中でも展示場の運営係に配属されたのですが、来館者対応や誘導案内のほか、館内の清掃や照明設備の点検など、展示場における仕事だけでも多岐にわたります。それに来館者からの質問も多く、その対応にも追われる日々です。

仕事量としてはかなりハードで、最初は戸惑うこともありましたが、幸い先輩たちが非常に親切に指導してくれたおかげで、じきに馴れることができました。2年目には早くも現場の責任者として成長し、貴重な仕事をいろいろとさせてもらっていました。

職場の雰囲気は非常に良いです

仕事をする人にとって職場の雰囲気はかなり気になるところで、私も就職する前はどんな雰囲気の職場かとても気になっていました。しかも国立の博物館と言うことですので、ルールなどかなり厳しいのではないかと危惧していました。しかし、実際にはそれほど厳しい感じはしなかったのが正直な思いです。職場には事務職員さんのほかに学芸員さんなど、多くの人が働いていますが、みなさん気さくに接してくれるので安心感がありました。

また、この博物館では年に数回、定期的に上司と面談するシステムがあり、そこでは日ごろの業務をする上での悩み事などについてコミュニケーションをします。このように職場の雰囲気は良好ですので、ハラスメントというものはありません。国立の博物館とはいえ、収益性が求められることから、とにかく団結力が強い職場だと感じました。それだけに、困ったことがあれば周囲が迅速に対応してくれます。

残業時間については、展覧会の状況によります

残業時間については、基本的にはそれほど多くありませんが、特別展が開催されているときは、その運営業務などで残業することがあります。具体的には閉館後において落し物が無いかなどの見回り、清掃作業などをする必要があるため、特別展開催期間中はほぼ毎日残業でした。また、開催期間中のみならず、開催前の準備や開催後の展示品の撤収などの業務もあるため、残業することがあります。ただ、残業と言っても夜遅くまでするようなものではなく、大体1~2時間程度の残業です。したがって、ブラック企業レベルほどではなく無理なく働くことはできました。もちろん、残業代はしっかりと支給されますので安心でした。

仕事のハードさの割には給与面がイマイチかも

給与については博物館の規程によって定められています。基本的には公務員の給与にほぼ準じた形になっています。よって年収もほぼ公務員並みです。私の場合はいわゆる事務系ではなく、展示場と言う現場で働くことが多く、荷物運びなど体力を使う局面も比較的多くありました。それを考慮すると、公務員の給与に準じた給与体系では少し物足りない感じがするのが正直なところです。ただ、そうはいっても年2回のボーナス支給がありますし、地域手当や扶養手当、残業手当など様々な手当てがあります。また、昇給が年1回ありますので、長く勤めればそれなりに稼げる職場ではあります。

新人でも意見をどんどん言える

そして私がこの博物館で働いていてとてもよかったと思ったのは、新人でも上層部に対してどんどん意見が言えるということです。この博物館では随時に運営会議を行っており、そこでは博物館の運営に関するあらゆることについて議論がなされます。博物館というところはある意味客商売であり、クレームもそれなりにありますので、問題が常時発生します。また、収益を上げないといけないのも、博物館の使命です。これらの問題に対処するために、博物館の全職員が一致団結して乗り越える必要があります。そのため、新人でも改善するための意見をどんどん発信していく風土がこの職場にあります。

東京国立博物館のブラック企業レベル

東京国立博物館のブラック企業レベルは、5段階評価中の1です。

【参考】ブラック企業レベルとその目安

  • 5…すべての人にお勧めできません。
  • 4…過酷な労働を愛する人以外にはお勧めできません。
  • 3…強いストレスへの耐性がない人にはお勧めできません。
  • 2…他人よりもストレスに弱い人にはお勧めできません。
  • 1…少しブラックなところもある一般的な会社です。

私は3年間という短い期間での勤務でしたが、それでも博物館職員として様々な貴重な経験ができた上、給与体系がしっかりしていること、先輩たちが親切・丁寧に指導してくれたことから、それなりに魅力のある職場だと感じました。ただ、配属先によっては仕事のハードさの割には給与が低いという点もあるので、そういう点も考慮して1と評価しました。