筆者が、大手銀行系証券会社にWebマーケティング担当者として中途入社し、働いていたときのエピソードをショート動画シリーズでお届けしています。
第6話は、『出世の条件は』です。
日本の伝統的な大企業への就職、転職をご検討の際に、ご参考にしていただければ幸いです。
動画の解説
このメガバンク系の証券会社では、管理監督者への昇格は、人事上の一定の評価ポイントを獲得した後、部長と課長から推薦を受け、人事部門の面談で合格通知をもらうことで行われる形でした。
筆者もありがたいことに、部長と課長の推薦を受け、人事面談に臨みましたが、結果は不合格でした。今回の動画では、そのときの様子をご紹介しています。
人事が下した不合格ポイントを詳しく記載すると、以下の2点になります。
- 会社として管理監督者に求めているのは、会社の一員としての意識が強い人材である。違う会社から入社した意識の残っている人材は管理監督者にしない。
- 会社として管理監督者に求めているのは、スペシャリストではなくジェネラリストである。中途入社の専門分野に特化した人材は、非専門分野の部署も経験するなどして様々な範囲の業務を経験しなければ、管理監督者にしない。
どちらの考え方も、伝統的な大企業として、昭和から連綿と続くものなのでしょう。しかし、デジタル分野の技術革新が続く昨今の情勢を考えると、時代に取り残されてしまっていると言わざるをえません。
1つ目のポイントに関しては、自社の文化、しきたりに染まりきった人材しか管理監督者に起用しないことで、これからもプライドをもって会社の伝統を守っていこうという強い意志が感じられます。
しかし、競合他社がデジタル分野で新しい取り組みを進める中、スピード感に劣る旧態依然とした会社の伝統は刷新していく必要があり、そのためにもマネジメント層に外部の新しい視点を積極的に取り入れていくのは欠かせない施策だと言えるでしょう。
2つ目のポイントに関しては、管理監督者のキャリアパスが、課長、部長、役員となるに従い、広範な業務領域を監督していくことになるのを見越してのスペシャリストの否定だと言えるでしょう。
しかし、業務内容や提供サービスのデジタル化が進む中、各社がCTO(最高技術責任者)やCMO(最高マーケティング責任者)など、役員クラスに専門分野に特化したスペシャリストを配置する必要にかられています。
このような情勢下で、各分野の業務を聞きかじったことがある程度の中途半端な人材を役員に多数配置する会社の未来は、決して明るいとは言えません。