マイナビへの就職/転職はアリ? 元社員による口コミ・評判

本レビューは、元社員による寄稿を、公益の観点からネガティブな内容も含め掲載しています。レビュー内容は一個人の見解であり、当該企業がブラック企業かを断定するものではありません。

腕を組むビジネスパーソン

ここでは、株式会社マイナビへの就職や転職を検討している方に向け、2013年から2018年まで実際に勤務していた元社員が、マイナビは就職や転職をする先の会社としてお勧めなのか、健やかに働いていける職場環境なのか、いわゆるブラック企業なのではないかといった観点で、実際のところをお伝えしています。

株式会社マイナビ」の基本情報

英文社名 Mynavi Corporation
本社住所 東京都千代田区一ツ橋一丁目1番1号 パレスサイドビル
創業年日 1973年8月15日
資本金額 21億210万円
上場市場 非上場
従業員数 約9,800名(2019年10月1日時点)

マイナビの社風は事業部ごとに違う

まず、マイナビの社風について見ていきたいと思います。

マイナビは、全体としては体育会系の営業会社だと言えます。しかし、複数あるぞれぞれの事業部によって、大きくその社風が異なるため、注意が必要です。

前提として、マイナビの事業部は、大きく二つの系統に分類することができます。主力事業となっている就業情報を提供する人材系サービスの事業部と、人材系以外での収益を模索し、結婚情報やニュース情報の提供などを行う生活情報系サービスの事業部です。

傾向として、人材系サービスの事業部は、体育会系の営業会社の色合いが強く、生活情報系サービスの事業部は、文化系の今どきのIT会社の色合いが強いと言えます。

ただし、上記の傾向はありつつも、最終的に事業部ごとの風土を大きく左右するのは、事業部長の意向です。

就職が決まって、いざ働き始めたときに、配属先によって思っていた職場ではなかったというミスマッチが起こりかねないという点では、怖い会社だと言えるでしょう。

中途入社の場合は、事業部ごとの採用となると思いますので、面接などで事業部長の考え方や職場の雰囲気をしっかりと確認しておくことが大切です。

新卒入社の場合は、一括での採用となると思いますので、どの事業部に配属となったとしても順応できるように、心の準備をしておくことをお勧めします。

マイナビの残業時間は人それぞれ

マイナビにおける残業時間は、所属する事業部や上長、その役職などの要素によって、人それぞれで大きく異なります。

全体としては、数年前よりコンプライアンス遵守の方針を明確にし、全社的に三六協定に則った形で残業時間を抑える管理が行われるようになったため、一般の社員の残業時間は抑制傾向にあります。

ただし、所属部署の上長によっては、自宅への仕事の持ち帰りなどの隠れ残業を強いられる可能性は否定できません。

また、一般社員が残業をしにくくなった代わりに、そのしわ寄せを残業時間がカウントされない管理監督者である課長職が受ける傾向にあります。

部下が一人以下の二十代の課長もめずらしくなく、油断するとトントン拍子に課長へと出世し、残業過多に陥ることもあるので注意が必要です。

マイナビの年収は物足りない

マイナビの2021年度の新卒採用ページによると、大卒での基本給は月収191,325円、残業時間を月35.6時間とした場合のモデル月収例は292,420円です。

月20営業日とした場合、一日平均で約2時間弱の残業をしてようやく月収が30万円弱となります。しかし、基本的に自分の意思で残業時間を決定することはできず、職種や上長の意向などで、残業がほぼ発生しない場合には、基本給の月収20万円程度での生活を強いられることになります。

また、26歳 営業職 経験4年のモデル年収として480万円、31歳 課長職 経験5年のモデル年収として650万円との記載もあります。

これらの金額を十分と考えるか、低いと考えるかは人それぞれかと思いますが、仕事がデキるトッププレイヤーを目指す人たちからすると、課長職で650万円というのはいささか物足りなく感じるのではないでしょうか。

実際に筆者が見てきたかぎりでは、優秀な人材ほど早めに会社を去る傾向にありました。そのような人材は、普通に転職をするだけで、給与が簡単に上がるのです。

マイナビは人材の質が悪い

優秀な人材から率先して会社を去っていくことで、自然と人材の質は低下していきます。

そのような傾向は、前述の年収の物足りなさ以外にも、様々な要因によってもたらされています。今回は、その要因を、以下の3点にしぼってご紹介します。

  • 経営陣に営業力で突破する以外のノウハウがない
  • 新卒採用者数の増大による急拡大路線を取っている
  • 人材の質の低下の負のスパイラルから抜け出せない

経営陣に営業力で突破する以外のノウハウがない

マイナビは、就業情報を提供する人材系サービスで大きな成功を収めた会社です。

しかし、それらの成功したサービスは、リクルートグループが開拓した市場にいち早く参入した先発優位性を元に、営業力で勝ち取ったものです。

まだ競合が少ない状態のブルーオーシャンである市場を見極め、参入し、資本を投入した手腕は認められるべきですが、逆を言えば、その成功体験しか持ち合わせずに大きくなってしまった会社だと言えます。

マイナビが、競合ひしめくレッドオーシャンであっても勝ち抜けるような柔軟な戦略性、強固な組織力を持ち合わせているかというと疑問が残ります。

マイナビの主力事業である就業情報を提供する人材系サービスは、今や多くの新規参入企業を迎え、レッドオーシャンと化しています。先発優位性と営業力だけであとどれだけ戦い続けられるのでしょうか。

新しいアイデアのない経営陣を見限り、会社の将来性を悲観し、転職に踏み切る優秀な人材はめずらしくありません。

新卒採用者数の増大による急拡大路線を取っている

マイナビは、今後も営業力での事業拡大を推し進めるために、新卒採用を積極的に行っています。

ここ3年の採用実績を見てみると、2019年696名、2018年648名、2017年731名となっています。

2019年時点での社員数が約9,800名ですので、その新卒採用数の規模の大きさはおわかりいただけるかと思います。

組織の要は管理職です。管理職に優秀な人材を配置できる企業は、その下の社員に適切な教育を施すことができ、組織全体の人材の質を高めることができます。

しかし、マイナビは優秀な人材が流出し続け、管理職に優秀な人材を配置することが困難な状態です。一方で、そのような事情もおかまいなしに、毎年、大量の新卒入社者が流入してくるのです。

その結果として、能力の不足した管理職からまともな教育を受けることができなかった若い人材たちが、大量の新卒入社者に押し上げられる形で次々と管理職へと出世し、今度は自分たちが部下に対して適切な教育を施せないという人材の質の低下の負のスパイラルに陥っています。

マイナビのキャリア採用サイトに記載されている、管理職昇進年齢の平均28.9歳という若さは、その教育を受けることになる部下の目線からすると、決していい意味で捉えることができるものではありません。

人材の質の低下の負のスパイラルから抜け出せない

管理職の大半が能力不足となると、適切な指導も評価も行われなくなり、組織には不満が充満するようになります。そのような段階になると、今後優秀な管理職になる可能性を秘めた金の卵たちも、早々に組織を見限り、会社を去っていくことになります。

一度陥った人材の質の低下の負のスパイラルから抜け出すことは、困難極まりないのです。

個人的な感想としては、優秀な大人がいなくなり、適切な教育を受けられていない若い社員ばかりのマイナビという会社は、学生サークルの延長線上のような職場でした。

マイナビで成長できるかは自分次第

マイナビの多くの事業部では、やりたいことを自ら高らかに宣言すれば、その進行を任せてもらえる風潮があります。

管理職の質が低く、組織的な統率力が万全でないことにより、その間隙を縫い、ボトムアップの提案から自由裁量をなんとなくで獲得しやすいのです。これも事業部と上長次第にはなりますが、自分のやりたいことを好きに進めたい人には向いている会社とも言えます。

管理職からの教育がきちんと行われない一方で、自分のやりたいことを試す機会は得やすいことから、マイナビという会社で成長できるかどうかは、完全に自分次第だと言えるでしょう。

ただし、自分から提案した新しいことを始める場合、基本的にもともと行っていた仕事の量が減ることはありません。業務過多には注意が必要です。

マイナビはハラスメントが普通にある

気になるマイナビのパワハラやセクハラなどのハラスメント事情ですが、「普通にある」というのが率直なところです。

しかし、ある程度の規模の会社となると、いろいろな人がおり、他人のことを思いやれない人もいるものです。一定以上の規模の組織からハラスメントを完全に排除することは、事実上不可能だと言わざるをえません。

マイナビでも、事業部長クラスから課長クラスまで、体育会系のパワハラ・セクハラ気質の人間が複数存在していました。

一方で、マイナビにおいては、コンプライアンス遵守の方針が強調されるようになって以降、会社としてハラスメントを抑制する風土が醸成されてきており、被害を受けることはあっても、通報窓口の利用などによって解決される事例は増えていた印象です。

また、前述のとおり、事業部や上長によって職場環境が大きく異なるため、部署異動を希望することでハラスメント被害から逃げることが可能となるケースもめずらしくありませんでした。

マイナビは社内恋愛・不倫が多い

マイナビは、若い社員が多いこともあり、社内恋愛や社内不倫が盛んです。

特に、既婚の男性社員が、新卒入社の女性社員を性的に狙う事案が後を絶ちませんでした。最終的に社内トラブルになった事案も数多くありますので、親切で優しい先輩社員の顔をして言葉巧みに近づいてくる男性社員には注意が必要です。

総評・まとめ

結局のところ、マイナビは、就職や転職をする先の会社としてお勧めなのでしょうか。3つの観点から見ていきたいと思います。

マイナビの就職/転職おすすめ度

マイナビの就職/転職おすすめ度は、5段階評価中の4です。多少のストレスは許容する必要があります。

【参考】就職/転職おすすめ度とその目安

  • 5…ほとんどの人にお勧めできる会社です。
  • 4…多少のストレスは許容する必要があります。
  • 3…強いストレスへの耐性がない場合はお勧めできません。
  • 2…過酷な労働を愛する人以外にはお勧めできません。
  • 1…すべての人にお勧めできません。

事業部や上長によっては、健やかに働くことができる環境も存在していますが、上司が無能できちんと評価してもらえない、体育会系のパワハラ・セクハラがある、残業代が稼げず給与が低い、十分な教育をしてもらえず成長ができないなど、ストレスフルな職場環境が存在していることも確かです。

総合的に考えて、今回の評価となっております。

マイナビの新卒入社のおすすめ度

マイナビへの新卒での入社はお勧めしません。

新卒入社者に対して十分な教育を行うことができるレベルの管理職の数が足りていません。

また、周りの人間のレベルが総じて低く、長くこの職場で過ごしてそのレベルに慣れてしまうことで、転職したいときになって、自分の力が他の会社では通用しないということが起こりかねません。

自ら成長できる優秀な人材は、そのことに気づき、2、3年勤めて早々に転職していく傾向にあります。

マイナビの中途入社のおすすめ度

マイナビへの中途での入社は、その人が求めていることによっては、お勧めすることができます。

まず、トッププレイヤーを目指している人にとっては、マイナビは、給与面、周りの人材レベルの面からして、満足することができない職場だと言えるでしょう。

一方で、今までトッププレイヤーとして活躍してきて疲れてしまった人にとっては、周りの人材レベルの低さと、自己裁量の獲得しやすさから、自尊心と承認欲求を満たすことが比較的容易な環境だと言えるでしょう。

健やかに働けるかどうかは、会社との相性が大切です。マイナビへの就職や転職をご検討の方は、ご参考の一つにしていただければ幸いです。

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