女性社員に嫌われないための10か条【男性向け】 - なぜ嫌われる?

NGを出すビジネスパーソン

女性社員に嫌われている男性社員は、周りから見ても、嫌われて当然の言動をしている人がほとんどです。しかし、意外なことに、男性社員本人にその自覚がないことはめずらしくありません。

今回は、男性社員が自覚なく女性社員に嫌われる言動を繰り返してしまう理由を考え、実際に女性社員に嫌われないために心得るべき10か条についてご紹介したいと思います。

女性社員に嫌われないための10か条

当たり前のことだと感じる項目が多いことと思います。しかし、一番の問題は、その当たり前のことを、男性社員自らはできていると考える一方、女性社員は許容できないと感じているという認識のずれにあります。

ぜひ、各項目の詳細をご覧いただければ幸いです。

1. 相手が大人の対応をしていることを理解する

まず、認識しなければならないことは、男性社員が女性社員を不快にさせる言動をしても、多くの場合、女性社員はその不快な気持ちを表には出さないということです。

「やだー、もうー(笑)」などといった、表面上明るく受け流す女性社員の対応は、職場環境を円満に保つために我慢しているだけのことが多く、男性社員の言動を許し、受け入れているわけではないことを肝に銘じなければなりません。

男性は幼い頃より、好きな子にいじわるをするなど、相手がどこまで許してくれるかを試し、許されたと感じるたびにその行為をエスカレートさせ、より相手に受け入れられているという実感を得ようとする習性があります。

その習性は大人になってからも変わることなく、男性社員は職場で女性社員にいじわるな言動をし、許容されたと感じると、その行動をエスカレートさせてしまいます。

男性社員は、自らのその厄介な習性と、女性社員が大人の対応をしてくれているという事実を理解しなければなりません。

2. 身なりを清潔に保つ

当たり前のことですが、身なりを清潔に保つ必要があります。しかし、この“当たり前”というのが問題で、自分にとっての“当たり前”と、他者が考えている“当たり前”が異なっていることは多くあります。

毎日風呂に入り、毎日服を洗濯し、毎朝歯をみがき、毎朝ひげと髪型を整えるのは、社会人として最低限のことです。

爪は不潔に伸びてはいないでしょうか、鼻から毛は出てはいないでしょうか、服は劣化してヨレヨレになってはいないでしょうか、シャツはきちんとアイロンがかけられているでしょうか、タバコのヤニで歯は変色していないでしょうか、メガネは汚れていないでしょうか、指を鼻や口に入れたりはしていないでしょうか。

様々な要素の総合で、その人の清潔感が決まります。大丈夫なはずと思っていても、今一度、念のため自分自身を見直すことをお勧めします。

3. スメハラに気をつける

スメハラ、スメルハラスメントという言葉があります。周囲の人に、臭いで不快な思いをさせる行為を指す言葉です。

人間という生き物は、臭いへの順応性が高く、常に嗅いでいる自分の臭いには鈍感になっています。汗の臭い、タバコの臭い、加齢臭、強めの香水の匂いなど、自覚なくスメハラの加害者になっているケースが多く見られます。

自分の臭いが大丈夫か、家族や友人に率直に意見を聞き、問題があれば対応することをお勧めします。

喫煙者は、喫煙ルームからオフィスに戻ってきたときに、自分がどれだけタバコ臭いか自覚した方がよいでしょう。口臭も打ち合わせに同席するのが苦痛であるほどです。特に、タバコとコーヒーが混ざった際の口臭は、多くの非喫煙者を辟易とさせています。

周りは大人の対応をして、臭いが気になっていないふりをしてくれることでしょう。「タバコ吸ってもいい?」と聞かれれば、ほとんどの場合、ダメとは言わないでしょう。本当はダメだと言いたくて仕方がない人が多いことを自覚するべきです。

スメハラの主な原因と予防方法については、以下の記事で詳しくご紹介しています。宜しければご参照ください。

スメハラ(スメルハラスメント)とは? 意味と主な原因と予防方法
スメハラ(スメルハラスメント)とは、職場などにおいて、自覚、無自覚を問わず、体臭や口臭などのにおいで、周囲の人に不快な思いをさせ、迷惑をかける行為を意味します。今回は、その主な原因と予防方法についてご紹介していきたいと思います。

4. 容姿や年齢についての冗談を言わない

好きな子にいじわるをしてしまう精神状態から成長できていない男性社員は、素直に女性社員に好意的な発言をすることができず、ついつい容姿や年齢について茶化した冗談を言ってしまいます。

冗談に対して、相手が大人の対応をして笑ってくれていたとしても、心の中ではたいへんな憤りを感じていると考えましょう。相手が自分の冗談を許してくれているなどとは、決して思わないことです。

髪型を変えたり、ネイルを新しくしたことに気がついたのならば、余計なことは言わず、素直に良いと感じた内容をそのまま伝えましょう。

5. 公私混同をしない

社交辞令で感じの良い対応をされたことを、自身への好意と勘違いし、就業時間外に個人的なLINEを送り、プライベートの誘いをしつこく行うなどして嫌われる男性社員がいます。

また、上司と部下といった、会社で設定された単なる役割上の上下関係で、自分自身が人間としてえらくなったと勘違いし、高圧的な態度を取り、嫌われる男性社員がいます。

就業中に接する同僚、部下、上司は、本来、労働契約と就業規則に基づいた関係性でしかありません。その関係性がそのまま就業時間外にも持ち出せるとは考えないことです。

6. マウントを取ろうとしない

自分が相手よりも上位であることを示そうとする行為を、「マウントを取る」と言います。

女性同士もその社会性ゆえのマウントの取り合いは存在しますが、プライドにしばられ、上下関係を気にしがちな男性社員たちもまた、日々相手からマウントを取ろうとして、嫌われています。

自分がどんなにすごいか必要以上にアピールする、他人のダメなところを必要以上に貶める、どちらのマウントの取り方も、嫌われる元です。

中には、相手が女性であるというだけで見下し、マウントを取ろうとする男性社員も存在しています。性差による人間的な優劣など存在しません。コンプライアンス上も、非常に問題となりやすい価値観です。改めることをお勧めします。

7. 無責任な仕事をしない

職場の人間関係は、仕事があってのものです。仕事に対して無責任な態度を取ることは、女性社員だけではなく、男性社員も含めた全員に嫌われることになるでしょう。

当然、無責任に仕事を他の人に丸投げするのは、論外です。

実際には無責任なつもりがなくても、他者に仕事をお願いする際は、注意が必要です。自分の仕事が増えることを嫌がる人は、数多く存在しています。そういった人が、「仕事を押しつけられた」と一方的に逆恨みをしてくることはめずらしくありません。

その人に仕事を分担してもらうことが、チームとして必要だということや、その仕事の経験がその人のためになるということなど、無責任ゆえの丸投げではない、仕事を渡す合理的な理由があるということを伝えておきましょう。

上手な仕事の渡し方につきましては、以下の記事で解説していますので、ご参照いただければ幸いです。

上手な仕事の頼み方、部下への仕事の渡し方 - 丸投げは嫌われる
仕事を依頼した相手が、満足する成果物を上げてこないとき、相手が仕事を完遂するのに必要な情報を、依頼する側がきちんと渡せていない可能性があります。今回は、職場で日常的に行われている他者への仕事の依頼について、注意点や最適解をご紹介します。

8. 望まれてないのに自分語りをしない

年代が上がってくるにつれて増えてくるのが、望まれてもいないのに、自分語りを始める男性社員です。

話を聞いている人は、興味がないと本音を伝えて、相手の機嫌を損ねるメリットがないため、「えー、すごいですね!」などと、良い反応を示してくれることでしょう。しかし、あなたの苦労話や武勇伝には誰も興味がありませんし、部下や後輩が抱えている悩みの解決に役立つこともありません。相手からの不評を対価に、自分が気持ち良くなっているだけです。

もし、部下や後輩が抱えている悩みを解決してあげたいのならば、自分語りなどしていないで、逆に部下や後輩の話をとことん聞きましょう。話をすることで、自分の中で問題点が整理でき、自己解決に至ることもありますし、話を聞いてもらうだけで、気持ちが楽になることもあります。話を聞き終わったら、自分語りではない、具体的なアドバイスをしてあげましょう。「自分が、昔、どうしたか」ではなく、「相手が、今、どうすべきか」について話しましょう。

9. 特定の女性社員だけに良い対応をしない

明らかに特定の女性社員に優しくし、かいがいしく面倒を見ようとする男性社員がいます。

人間である以上、他者に恋愛感情を持つのは当然のことです。しかし、職場で特定の女性社員に下心があるように見える行動をすることは、場にそぐわず、不評を買うこととなります。

もしかしたら、その男性社員本人は、仕事の面倒を一生懸命に見てあげているだけのつもりかもしれませんが、問題は周りからどう見えているかです。平等を心がけ、誤解を受ける可能性のある行為は、厳に慎むことをお勧めします。

10. 少しのパワハラもセクハラもしない

「おっと、これ以上はパワハラ/セクハラになっちゃうな」などと、自分はパワハラやセクハラをぎりぎり許されるラインで行っているとアピールする男性社員がいます。これもまた、どこまで許されるか試したい、男性の良くない習性が出ている事例です。

まず、許されているというのは本人の思い込みであり、パワハラやセクハラにぎりぎりなどというものはありません。相手が嫌な気持ちになっていれば、全てアウトです。

相手の立場に立って考え、少しでも嫌がられるようなことをするのはやめましょう。幼稚園児が習うような当たり前のことですが、会社という閉鎖コミュニティは、単なる役割としての上下関係が、人間としての上下関係に思えてきてしまうなど、しばしば人から正常な判断能力を奪ってしまいます。

誰しもがおかしくなる可能性を秘めているものです。常に自分の言動を客観的に見つめるように心がけましょう。

気をつけていても、無自覚にハラスメントをしてしまう事例につきましては、以下の記事で解説していますので、ご参照いただければ幸いです。

無自覚なハラスメントで失敗する人達 - アンコンシャスバイアスとは
あからさまなハラスメントが減ってきた現在、問題となっているのは、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)が元となった自覚なきハラスメントです。今回は、自覚なきハラスメントの具体例と、加害者にならないための対処法についてご紹介します。

一人に嫌われると全員に嫌われる?

ここまで、女性社員に嫌われないための10か条についてご紹介してきました。しかし、もし、万が一、誰かに嫌われてしまった場合、その被害は予想を超えて大きく広がってしまうことがあります。

一人に嫌われただけなのに、気がつけば、女性社員全員に嫌われていることがあるのです。場合によっては、男性社員にも嫌われていることがあります。

人間は、共通の敵を持ち、仲間内で結束することを好む生き物です。誰かの悪い噂は、ものすごいスピードで共有されていきます。

たった一人に嫌われることが、平穏な会社生活の障害となるケースはめずらしくありません。ぜひ、相手の気持ちに寄り添った言動を心がけ、自分を客観的に見つめ、職場の仲間たちと良い関係を築いていきましょう。