東京メトロポリタンテレビジョンへの就職/転職はアリ? 元社員による本音レビュー

本レビューは、元社員による寄稿を、公益の観点からネガティブな内容も含め掲載しています。レビュー内容は一個人の見解であり、当該企業がブラック企業かを断定するものではありません。

腕を組むビジネスパーソン

東京都にあるのに、ローカル局に分類されている「TOKYO MX」。このテレビ局の正式社名は、東京メトロポリタンテレビジョン株式会社です。私はこの会社で2012年から2015年にかけて正社員として勤務していました。

ローカルのテレビ局で働く社員には、どのような実態があるのでしょうか。今回は当時の体験談を紹介します。

東京メトロポリタンテレビジョン株式会社」の基本情報

英文社名 TOKYO METROPOLITAN TELEVISION BROADCASTING CORPORATION
本社住所 東京都千代田区麹町1丁目12番地
設立年月日 1993年4月30日
資本金額 48億3562万9209円
従業員数 約160名

ADの仕事は簡単なようで難しい

入社後の私は、まず制作局の制作一部に配属されました。TOKYO MXの制作局は一部から三部に分かれているのですが、一部は主に生放送の情報番組を担当しています。

私には朝の情報番組のアシスタントディレクターという役割が与えられました。いわゆるADというやつです。ADといえばカメラの脇でカンペを出しているイメージが強いですが、他にもたくさんの雑務がありました。お弁当を発注したり、出演者の駐車場を手配するのもADの仕事なのです。

お弁当の発注業務には簡単な印象があるかもしれませんが、これが意外と奥が深いのです。単に出演者の人数を発注するのではなく、各出演者のマネージャーやスタイリストさんの人数も考慮して発注数を決めなければなりません。

出演者ごとに帯同する人員が異なるので、余らずに不足もしない数のお弁当を発注するのは意外と難しいのです。ちなみにギャラの高いタレントをゲストに呼んだときは、お弁当のグレードを落として制作費を予算内に収めることもあります。

残業代やさまざまな手当がもらえるので、1年目から年収が400万を超えた

朝の生放送番組を担当すると、深夜2時出社の日々が始まります。そして放送終了後はすぐに退社できるわけもなく、翌日の放送に向けての会議が行われるのです。取材があれば会議のあとに出掛けることになるのですが、これはすべて残業対応になります。

ADをしていたころの私の残業時間は月平均で約30時間でしたし、有給休暇をすべて消化できた年度は、一度もありませんでした。この現状を知ると、TOKYO MXは就職/転職おすすめ度が低い印象を受けるかもしれませんが、テレビ局の制作部で働く社員にとっては当然のことだと思います。

ちなみにTOKYO MXは、残業代が分単位で算出されます。たとえば12時34分に残業が終わったら4分の残業代をカットする企業が多いですが、TOKYO MXはこの4分の残業代もきっちり支給してくれるのです。また深夜2時に出社したときは早朝勤務手当がもらえますし、日曜や祝日に働いたときは休日出勤手当がもらえます。

私は基本給26万円で契約しましたが、きっちり算出する残業代と各種手当のおかげで、初年度の年収は450万円でした。制作部の社員は9時から18時の勤務シフトになることがほとんどないので、基本給にプラスしてかなりの額の深夜・早朝手当がもらえます。そのため制作部には、30代半ばで年収が600万円を超える社員がたくさんいるのです。これはローカルのテレビ局にしては、高い水準だといえます。

福利厚生とハラスメント対策について

TOKYO MXの社員は健康増進を目的として指定のフィットネスクラブを特別料金で利用できますし、英語力をスキルアップさせたい人のために大手の英会話スクールを格安で受講できる制度もあります。

またテレビ局の社員は勤務時間が不規則なので、幼い子どものいる家庭はベビーシッターを利用することが多いです。その際はベビーシッターの利用額の一部も会社が負担してくれます。

他にもビジネスセミナーが無料になったり、箱根や熱海の宿泊施設が割引きになるなど、福利厚生は何かと充実しているのです。

さらに社内には匿名で相談できる内部通報制度があるので、ハラスメント行為があった場合はすぐ明るみになります。この内部通報制度が抑止力となり、私が在籍していた期間に社員同士のハラスメント行為が問題化されたことはありませんでした。

ただしテレビ局は番組を放送する立場なので、視聴者からハラスメントの指摘を受けることがあります。

かつて私が担当していた情報番組に、人気の女性モデルがゲストで来てくれたことがありました。その女性モデルは10代女子のファッションリーダー的な存在だったので、コーディネートを紹介するために登場シーンで足元から顔にかけてカメラをゆっくり上げていくアングルを採用しました。

すると視聴者から電話がかかってきて「男性タレントが登場したときはバストアップしか映さないのに、女性モデルだけ全身をなめまわすように映すのはセクハラじゃないか」と言われたのです。

10代女子が見たがっているものを映すと、他の世代からはセクハラだと受け止められることもあるので、あのときは番組制作の難しさを痛感しました。社内のハラスメントを撲滅するだけでなく、視聴者からもハラスメントの指摘を受けないようにするために、テレビ局の社員は日々奮闘しているのです。

東京メトロポリタンテレビジョン株式会社の就職/転職おすすめ度

東京メトロポリタンテレビジョン株式会社の就職/転職おすすめ度は5段階評価中の3です。強いストレスへの耐性がない人にはお勧めできません。

【参考】就職/転職おすすめ度とその目安

  • 5…ほとんどの人にお勧めできる会社です。
  • 4…多少のストレスは許容する必要があります。
  • 3…強いストレスへの耐性がない場合はお勧めできません。
  • 2…過酷な労働を愛する人以外にはお勧めできません。
  • 1…すべての人にお勧めできません。

確かに番組制作には大変な部分もありますが、それをブラック企業だと感じていてはテレビ局の社員は務まりません。大変なぶん視聴率が良かったときは、極上のやりがいを感じることができます。番組制作に対する熱意があるなら、ぜひともエントリーをしてください。