会社の飲み会の断り方 - 断った際の不利益を最小化する対処法

嫌な飲み会

会社の飲み会に参加したくない、上司や先輩からの飲みの誘いを断りたいという多くの声を聞きます。

社会人生活において避けては通れないこの問題、どのように立ち振る舞い、自分の心の負担を軽減していけばよいのでしょうか。

飲み会は参加しなければならないのか

飲み会が、業務時間内に、業務として、賃金が発生する状況下で行われない限り、参加する必要はありません。参加したくない場合は、参加すべきではなく、それが何のデメリットもなく許されるべきです。

しかし、現実問題として、断った際の相手方の心象の悪化、それに伴う今後の関係性の悪化、組織内での自分への不利益の発生などを危惧し、断ること自体にも多大なストレスが発生します。本来、会社との労働契約を全うしていれば何の問題もないはずなのに、人間という感情の動物が集う組織はそれをなかなか許してはくれません。

冷静に、飲みの誘いを断るデメリットを整理し、最小化していく方策を考える必要があります。

飲みの誘いを断るデメリットの整理

飲みの誘いを断るデメリットとしては、以下のようなものが考えられます。

  • 相手方の心象悪化に伴う、個人的な嫌がらせ
  • 相手方の心象悪化に伴う、業務上の連携への悪影響
  • 相手方の心象悪化に伴う、評価や昇進への悪影響
  • 断る行為自体で発生するストレス

業務時間外のこのようなことで、業務や評価、昇進に影響を与えるのは、本来あってはならないことです。最近では、会社側で強引な飲みの誘いを禁止したり、理不尽な行いに対しての内部通報制度を整備しているところも増えてきました。しかし、逆を言えば、会社側でルールを整備し、監視をしなければならないほど、被害者の数が多いということです。

我々は、現実に即した方法で、自分で自分自身を守らなければなりません。

相手の心象を悪化させずに誘いを断る方法

飲みの誘いを断った際に、相手が心象を悪化させるのは、断られることを想定していない場面で断られたというギャップから生じる、裏切られた気持ち、思い通りに行かなかった不快感によるものです。

この場合、相手方のギャップを最小化することで、心象の悪化を食い止めることができます。

その最も有効な手段は、飲み会に参加しない人物であると認識されておくことです。初めから断られる可能性が高いと認識させておくことで、例え誘いを断ったとしても、当然の結果として受け止めてもらうことができます。副次的なメリットとして、たまに誘いを受けた際には、「今日は来てくれるのか」という喜びを相手に与えることもできます。

ただし、飲み会に参加しない人物であると認識されるための断り方には注意が必要です。「今日は予定がある」などといった、毎回使うと不自然になる断り文句ではなく、継続的に参加が難しい環境であることを示せる理由を伝えることが大切です。いくつか例をご紹介しましょう。

  • 妻(夫)からの許しが得られない家庭環境である
  • 自分による世話が必要な家族がいる
  • 小遣い制であり、もう飲みに使えるお金がない
  • 就業後に習い事に通っている
  • 持病があり通院している

職場で飲み会に参加しないキャラクターを確立するまでは、上記の例のような理由をブレることなく伝え続けましょう。自分の心の負担を軽減するためには、多少の嘘は許容しましょう。

そして、何より大切なポイントは、常日頃、職場で愛想よくしておくことです。過度な付き合いは必要ありませんが、普通に笑顔で会話ができるくらいの、良好な人間関係を築いておきましょう。その下地があってこそ、飲み会に参加しないキャラクターを円満に受け入れてもらえます。

いずれは、誘われること自体が減り、誘われる際も参加しないことを前提で聞かれるようになり、断る行為自体でのストレスも減らしていくことができます。

話が通じない手ごわい相手には

しかし、一方で、どのような理由にせよ、飲み会に参加しないこと自体がよくないことだという古い価値観を押し付けてくる人がいます。

断ったことで嫌がらせをしてくる、断ってもしつこく誘ってくることは、明確なパワーハラスメントに当たります。すでに社会的に問題とされており、多くの場合、社内でしかるべき手続きを踏めば、相手を押さえ込むことが可能です。他の被害者がいればその人と連携し、良識的な上司へ相談、場合によっては内部通報制度を活用しましょう。

良識的な上司がいない、内部通報制度が存在していない場合は、素直に転職をお勧めします。世の中には、社員を守ろうとしてくれる、まともな職場が探せばいくらでもあります。

それでも飲み会に参加すべきか否か

最終的に、飲み会に参加すべきか否かは、以下の不等式で表すことができます。

参加するストレス > 誘いを断るデメリットによるストレス

この場合は、参加すべきではないでしょう。

参加するストレス < 誘いを断るデメリットによるストレス

この場合は、不本意ながらも総合的な判断として参加すべきでしょう。その上で、誘いを断るデメリットによるストレスの軽減に努め、将来的に参加しないで済む環境を整備していきましょう。

なお、飲み会に参加せざるを得なかった際の対処法は、以下の記事でご紹介しています。ご参考にしていただければ幸いです。

会社の嫌な飲み会での楽な立ち回り方 - 途中で抜け出すには
会社の飲み会に参加したくない、けれども断りにくい、断り切れない、そんな経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。今回は、参加したくない会社の飲み会に、不本意ながら参加することになってしまったときの対処法をご紹介します。

飲み会参加への強制力、圧力は、会社や所属部署によって大きく異なるものです。現在の環境で大きなストレスを感じる場合、自分にできる改善努力を行い、それでもだめなときは、迷わず良識的な上司への相談や転属願いの提出、または転職活動を実行に移しましょう。職場は一日の大半、人生の大半を過ごす場所です。人生を幸せなものにするためにも、耐え難いストレスを放置することは避けなければなりません。