ジェイコムハートへの就職/転職はアリ? 元社員による口コミ・評判

本レビューは、元社員による寄稿を、公益の観点からネガティブな内容も含め掲載しています。レビュー内容は一個人の見解であり、当該企業がブラック企業かを断定するものではありません。

腕を組むビジネスパーソン

ジェイコムハート株式会社はジュピターテレコム株式会社(通称:J:COM)の障がい者雇用のための特例子会社です。

ここでは、勤務経験がある元社員が就職・転職を考える方に向けて、あらかじめ把握しておいた方が良い事柄をお伝えします。

株式会社ジェイコムハート」の基本情報

所在地 本店:東京都千代田区丸の内1-8-1 丸の内トラストタワーN館
事業所 同上
資本金 5,000万円(JCOM株式会社100%出資)
設立時期 2015年6月
事業開始 2015年9月
特例子会社認定 2015年10月

大企業の障がい者雇用のための特例子会社として標準的&精神・知的障がい者の受け入れが多い採用特色

ジェイコムハート株式会社は、グループ総計16,858名(2021年3月末現在)の従業員を抱えるジュピターテレコム株式会社の特例子会社です。ジュピターテレコム株式会社(通称:J:COM)は、TVCMなどでもお馴染みのケーブルテレビ事業運営と番組提供事業を主とする情報・通信業界の企業です。

ジェイコムハート株式会社は2015年に企業の障がい者法定雇用率を達成するために、障がい雇用に特化した採用を行う特例子会社として創設されました。私は2014年11月入社でしたが、その頃はジュピターテレコム株式会社本社人事部付の障がい者チーム雇用枠で採用されました。

2018年4月から障がい者雇用義務の対象に精神障がい者が加えられたからかははっきりしませんが、私が転職活動を考えていた2014年当時は精神障がい者は正直なところ採用しづらいという風潮があったにもかかわらず、意図的に精神障がい者・知的障がい者をたくさん採用しているジェイコムハート株式会社は珍しい存在でした。

障がい者雇用枠ならではの配慮や管理メンバーからのフォローも手厚く福利厚生も充実

精神障がい者や知的障がい者はストレスを溜めたり、疲れやすいという認識から、1時間働いたら15分ほど休憩を取って良いという社内ルールがあります。もちろん、給料は発生する休憩です。

障がいに対する配慮からもノルマや期限に迫られて膨大な仕事量を課されることは基本的にはありません。残業も基本的にNGで、就業時間通りに勤務することを求められます。残業時間はゼロが理想的とされます。

社内コンプライアンスもしっかりしている会社なのでセクハラやパワハラなどのハラスメントも自浄作用が働いていますし、あまり聞きません。無理な頑張りをさせられることのない会社でブラック企業レベルは限りなくゼロに近いです。

大手企業の特例子会社らしく、年収も障がい者枠としてそれなりで福利厚生もしっかりしているので、障がいに配慮してもらいながら無理なく仕事をしたい方には居心地の良い会社です。

派遣型正社員的な働き方

ここ特有な働き方なのかはわかりませんが、採用されたらジェイコムハートの管理職の人間や管理メンバーからシフト制の局回りか一つの拠点に常駐かを伝えられます。

ジュピターテレコム株式会社本社は東京駅にありますが、地域局はそれこそ首都圏にいくつもあり、それぞれの局で地域住民の方にケーブルテレビサービスの営業やネット、電話などのインフラを供給し、収益を上げています。

局以外にも、ジェイコム独自のメディアとしての番組を制作するための拠点や顧客からの問い合わせを受けるカスタマーセンターなどもあり、グループの会社は支店みたいなものとして、そこにジェイコムハートメンバーは配属されます。

もちろん管理メンバーには意見を聞いてもらえますし、不本意な配属先であったら相談に乗ってもらい、配置換えしてもらうことも可能です。

配属先のジュピターテレコム株式会社の社員たちも厚意を持ってコミュニケーションを取ろうとしてくれます。必ずしも全員に当てはまるとは限りませんが、努力はしてくれていると感じました。

精神・知的障がいの影響もあって、メンタルから体調不良になって勤怠が安定しないメンバーも多いですが、配属先にも迷惑がかかるため、基本は無遅刻無欠席が望ましいです。逆に言えば、それだけでも出来ていれば問題ありません。

それに加えて、そこそこ周囲とコミュニケーションもうまく取れて真面目に仕事をしていれば、ジェイコムハートメンバー同士の競争などはありませんので、定年まで無理なく働ける会社でしょう。

親会社であるジュピターテレコム株式会社の軽作業的な仕事を請け負う仕事が主

仕事内容は、総務事務や営業事務から切り出された単純作業や軽作業などです。営業の方が配るチラシを種類ごと透明シートに一日中封入したり、倉庫整理をやったり、月替わりの各チャンネルの番組宣伝チラシを入れ替えたり、販売促進のためのDM3,000部を手織りして封入したこともあります。

また、重要事項説明書に改訂箇所の印刷物を一部ずつ挟んだり、廃棄ボックスの中身をシュレッダーに掛けたり、販売促進用のポケットティシュに広告用のミニチラシを詰める作業もやりました。

PCなどを操作する事務仕事としては、ワードで社内掲示物を作成したり、エクセルでちょっとした表を作ったり、基幹システムに資料を入力してデータの抽出作業なども行います。

配属先での困りごとなどは、ジェイコムハートの管理職や管理メンバーが相談に乗ってくれますし、場合によっては配属先の方がフォローもしてくれますので、作業自体は難しいことは何もありませんでした。

健常者枠の社員と同じようにバリバリ働きたい方には不向き

若い管理メンバーも含め、管理職たちが試行錯誤しながら会社の未来を模索しているので、どんどんこの先も進化していく余白はあるとは思います。

ですが、障がい者雇用枠で働くということは障がいの程度が重い人間に合わせて会社の障がい者への扱いが決まるため、障がい者雇用枠でも健常者と同じ仕事をバリバリできるようになりたい、スキルアップやキャリアアップをして健常者枠の社員として親会社のジュピターテレコムに転籍したいという方にはしんどいと思います。

実際に、私は入社4年目に幸運にも健常者枠の社員と同じ仕事をさせてもらえる機会を得ました。かなり試験的ではあったと思います。

それまではずっと切り出された単純作業や雑務、倉庫整理などの軽作業ばかりだったので、総務部的な部署で健常者枠の社員の方たちに助けられながら同じ作業を繰り返さない事務仕事に携わることが出来て本当に嬉しかったです。それまでは散々ステップアップやキャリアアップなどには程遠い単純作業や軽作業しかやらせてもらえず、事あるごとに転職を考えていました。

もしかしたら、今は会社の方針が変わって健常者枠の社員と同じ仕事をさせてもらえるハードルがそこまで高くないかもしれませんが、親会社から軽作業や単純作業を請け負う仕事が主ですので、基本的にはその機会はなかなかもらえないと思っておいた方が良いと思います。

障がいに配慮を受けながらマイペースで働きたい人には○、健常者の社員と同じようにバリバリ働きたい方には×

今現在はわかりませんが、2020年1月頃までのジェイコムハートは仕事の内容にはあまりこだわらず、マイペースで働きたい精神・知的障がい者の方には最高の職場でした。

管理職側からの手厚い支援を受けられ、障がいや仕事、配属先の人間関係などの相談もしやすい関係が築けます。就職/転職おすすめ度は5段階中5です。

しかし、スキルアップなどを考えている精神・知的障がい者の方の会社の受け入れ態勢はまだ整っていないと言えます。

【参考】就職/転職おすすめ度とその目安

  • 5…ほとんどの人にお勧めできる会社です。
  • 4…多少のストレスは許容する必要があります。
  • 3…強いストレスへの耐性がない場合はお勧めできません。
  • 2…過酷な労働を愛する人以外にはお勧めできません。
  • 1…すべての人にお勧めできません。