部下が無能だと感じたときの対処法 – 上司の責任はどこまで?

管理職として部下を指導していると、それぞれの得意不得意、仕事のできるできないが見えてきます。

その中で、残念ながら、「この部下には何をやらせてもダメだ」と思わざるをえない場面に出くわすことがあります。

そのようなとき、上司はどのように対処すれば良いのでしょうか。また、上司はどこまで仕事ができない部下の面倒を見なければならないのでしょうか。今回は、事例を踏まえながら、考えていきたいと思います。

部下が無能なのか、上司に見る目がないのか

そもそも、その部下が本当に無能なのかは、よく考えてみる必要があります。

なぜなら、以下のような場合は、部下に能力があったとしても、上司からは仕事ができない部下に見えてしまうからです。

  • 能力はあるが、何らかの理由でモチベーションが低下している
  • たまたま現在の仕事内容が合っておらず、他の分野であれば活躍できる
  • 上司として部下に求める仕事のレベルが高すぎる
  • その部下の成果を他の者が横取りしていることを上司が気づけていない
  • 上司と部下の相性が度を越して悪い

全ては、上司のマネジメント能力不足が原因です。まずは、これらの部下への対処法について考えていきたいと思います。

「モチベーションが低下している」部下への対処法

部下の士気を上げる、モチベーションを維持するのも管理職の立派な役割です。

普段から、部下とコミュニケーションを取ることを心がけ、部下が本音で話してくれる関係性を築き、悩みがないか、やりたい仕事ができているかなど、話を聞く習慣をつけましょう。

また、職場の雰囲気を働きやすいものとするように心がけ、部下が仕事をする上でやりにくさを感じる組織上の問題があれば、解決に尽力するなど、部下が能力を100%発揮できる環境を整えるのも大切な上司の仕事です。ハラスメントなどもってのほかです。

「現在の仕事が合っていない」部下への対処法

部下の向き不向きやキャリアプランを考慮した上で、適材適所の仕事を任せることは、効率的なチーム運営という面において、管理職の大切な役割となります。

ここで気をつけるべきは、部下本人が希望していたり、得意だと言っている仕事であったとしても、実際に任せてみると、その部下に適性がなかったということは、めずらしくはないということです。

部下の希望は考慮しつつも、上司として、部下の主観に惑わされることなく、冷静に、客観的に、部下の向き不向きを見極める必要があります。

一度任せたからといって目を離すのではなく、業務を行う様子を見守り続けることが大切だと言えるでしょう。

また、必要であれば、活躍が期待できる部署への人事異動の手助けも行ってあげましょう。

「部下に求める仕事のレベルが高すぎる」場合の対処法

多くの管理職が陥る失敗として、「自分ができたことだから部下もできる」、「自分がやってきたことだから部下もやるべきだ」などの思い込みを持ったまま、部下の指導にあたってしまう事例があります。

このような思い込みは、特に現場から叩き上げで出世してきた管理職に多く見られ、その厳しさは多くの部下を成長させますが、さらに多くの部下を切り捨てることになってしまいます。たまたま成長した部下も、結局は働きやすい他社へと移ってしまうことでしょう。お勧めしません。

前提として、上司は、「自分と部下は違う人間である」、「管理職になった自分は特別であり、部下全員がその水準に至れるわけではない」ということを肝に銘じて、マネジメントを行う必要があります。

それぞれの部下に合った評価軸で、評価してあげることをお勧めします。

「その部下の成果を他の者が横取りしている」場合の対処法

声が大きい者の意見が通ってしまうのは、人間社会ではよくあることです。管理職は、部下たちの成果について、それぞれの声の大きさに惑わされることなく、客観的に、公正に、評価する癖をつける必要があります。

一方で、会社組織において生き残っていくためには、自己プレゼン能力は大切な要素です。自らの成果を主張しない部下に対しては、上司として、正確な報告を求めると同時に、自己プレゼンの大切さについて指導すると良いでしょう。

「部下との相性が度を越して悪い」場合の対処法

人間である以上、相性の良い悪いは当然存在し、生理的に受けつけない人間がいることも事実です。

しかし、管理職として部下の人生を預かる以上、公正さは必要であり、好き嫌いで評価を変えることは避けなければなりません。

大切なことは、仕事に私情を持ち込まない、そもそも感情自体を持ち込まないことです。自分も含め、部下も、誰しもが、会社においてはそれぞれの役割をこなす装置にすぎません。それぞれの装置が与えられた役割を全うできるように、感情は捨て、感情的な表現は業務を円滑に進めるためのツールの一つと割り切って、黙々と給与分の勤労に励むことをお勧めします。

本当に無能な部下への対処法

ここまで、「無能に見える」部下への対処法について、ご紹介してきました。しかし、中には、本当に仕事ができない部下も存在しています。

そのような場合、上司としてどのようにマネジメントをするのが適切なのでしょうか。

仕事をさせないことはパワハラになる

まず、気をつけなければならないのは、部下に任せられる仕事がないからといって、「仕事を与えない」、「無意味な仕事をさせる」といった対応を選択することは、明確なパワーハラスメントにあたるということです。上司が処分の対象となるでしょう。

地道に部下と話し合い、できる仕事を探し、二人三脚で少しずつできることを増やしていくことが、上司として行うべきことだと言えます。

しかし、管理職は多忙です。使い物にならない部下に管理コストを割くことは避けたいというのが本音でしょう。そのような状況は部下にとっても不幸なだけです。さらに上の上司や人事に掛け合い、少しでも活躍できる可能性がある部署へと、部下を異動させてあげるのも一つの選択だと言えるでしょう。

なお、放っておくとハレーションを起こす類のトラブルメーカー部下への対処法については、以下の記事でご紹介しています。ご参考にしていただければ幸いです。

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