コロナマウントとは? 意味と具体例とハラスメントになる危険性

コロナマウントとは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行下において、それぞれの人が受ける生活環境や労働環境などへの悪影響の度合いに差があることで、被害の小さな人が被害の大きな人に対して、優位性を誇ったり、威圧的な態度をとったりし、精神的に優位に立とうとする行為を意味します。

新型コロナウイルスの「コロナ」と、他者に対して精神的優位に立とうとする行為を意味する「マウント」を組み合わせた造語です。

今回は、そんなコロナマウントの具体例や、ハラスメントとなる危険性などについて考えていきたいと思います。

コロナマウントの具体例

コロナマウントの例としては、以下のようなものがあります。

会社への出勤を続けなければならない人に対して

  • 「うちの会社(部署)はすぐにテレワーク(リモートワーク)になったのに、君のところはモバイル機器が全然調達できないらしいな」などの発言
  • 「押印のために出社するなんて前時代的だな。うちは電子化が進んでるからすぐにテレワーク(リモートワーク)に完全移行できたぞ」などの発言
  • 「うちの会社(部署)は社員のことを考えて自宅待機にしてくれてるのに、君のところはならないのか」などの発言
  • 「こんなときにも出社しないといけないなんてたいへんだねぇ、ご苦労さま」などの発言

雇用や賃金に不安を抱えている人に対して

  • 「うちは大企業で待遇が保証されてるけど、君のところは小さい会社だからたいへんでしょう」などの発言
  • 「君のところは旅行業だろう、たいへんだねぇ。うちは全然関係ないや」などの発言
  • 「うちはコロナ特需で忙しくてたいへんだよ。君は暇そうでいいね」などの発言

家庭内に問題が生じている人に対して

  • 「うちは子ども預かってくれるところが見つかったからいいけど、あなたのところはたいへんねぇ」などの発言
  • 「うちは夫がいちいち言わなくても家事をやってくれるから助かるわ。あなたのところはたいへんそうねぇ」などの発言
  • 「お前のところは夫婦仲が悪そうだからテレワーク(リモートワーク)もたいへんだろう」などの発言

この他にも、それぞれの置かれている立場や状況に応じて、様々なコロナマウントが存在しています。

また、軽い気持ちでテレワークの愚痴を言ったら、それを聞いたテレワークができない立場の人が怒り出すなど、本人にそのつもりがなくても、受け取る側が勝手にマウントを取られたと勘違いし、トラブルになるケースも存在しています。皆が神経質になっています。話題には注意が必要です。

なぜ人はコロナマウントをしてしまうのか

なぜ人は、わざわざ新型コロナウイルス感染症というセンシティブな話題で、マウントをとってしまうのでしょうか。

人にはもともと、プライド、虚栄心、承認欲求などと呼ばれる、「他人よりも優位に立ちたい」、「他人よりも立派でいたい」、「他人に認められたい」という気持ちが多かれ少なかれ存在しています。

そのため、マウントをとる行為自体は、人間らしく自然な行為だと言えるでしょう。基本的に、マウントがとれる隙があれば、すかさずマウントをとりたくなるのが人間というものです。

一方で、人間は社会的な動物であり、他人に嫌われるような行為をひかえるように自らを律する自制心も育んでいます。

コロナマウントをとってしまう人は、プライド、虚栄心、承認欲求などが他の人よりも強いか、自制心が他の人よりも弱いと考えることができます。

そのような人物の言動に、いちいち腹を立てていても仕方がありません。腹を立てた分だけ損です。仕方がない人間がいるなと思って、受け流す努力をすることが大切です。

行きすぎたコロナマウントはハラスメントになる

コロナマウントは、その行為の内容や、相手の受け止め方によっては、ハラスメントと受け取られる可能性があります。

加害者側は、自分がよい気分になれるからといって、他者に不快な思いをさせる行動をとることは、会社から処分を下される可能性もある危険な行為であり、最終的には、誰も得をしないということを理解しておきましょう。

被害者側は、基本は他のハラスメント被害と同様に、可能であれば相手にはっきりと嫌だと伝えること、難しければ上司や会社のパワハラ、セクハラなどのハラスメント被害の相談窓口へ相談することをお勧めします。

会社に内部通報制度が存在していない、機能していない、会社全体がハラスメントを容認する風土である場合は、「厚生労働省委託事業ハラスメント悩み相談室」のWebサイト上に、会社以外で相談できる窓口が複数紹介されています。ご参考にしていただければ幸いです。

流行の長期化でコロナマウントは広がっていく

新型コロナウイルス感染症の流行が長期化することで、それだけ悪影響を受ける人の被害の度合いの格差も広がっていくことでしょう。

そして、社会には、新型コロナウイルス感染症の存在を前提とした人間関係、文化、風土が形成されていくことでしょう。

そのような状況下において、コロナマウントという行為は、より広範に、一般化していくことが予想されます。

新型コロナウイルス感染症の流行による健康や経済などの諸問題は、多くの人の一生を左右してしまう深刻な影響を社会にもたらします。マウントをとるにしても、相手の心情を考えるならば、せめてコロナマウントは避けることをお勧めします。

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