コロハラ(コロナハラスメント)とは? 意味と職場における具体例

コロハラとは、主に、咳をするなどの症状を見せた人や、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行地域と関連性を見出せる人などに対し、感染者または感染者との濃厚接触者だというレッテルを貼り、差別的な言動や威圧的な言動などの嫌がらせを行うことを意味します。

その他、わざと目の前で咳をするなど、新型コロナウイルス感染症を想起させる嫌がらせの全般が、コロハラの範疇に含まれます。

新型コロナウイルスの「コロナ」と、嫌がらせを意味する「ハラスメント」を組み合わせた造語である、「コロナハラスメント」を省略した言葉です。

今回は、コロハラの職場における具体例や、コロハラを引き起こす人間心理、コロハラの防ぎ方などについて、ご紹介していきたいと思います。

コロハラの具体例

コロハラの具体例としては、以下のようなものが挙げられます。

咳をするなどの症状を見せた人や、新型コロナウイルスの流行地域と関連性を見出せる人などに対して、

  • 「うつるからそばによるな」などの発言をする
  • 「お前、コロナだろ」などの断定的な発言をする
  • 「あいつはコロナだ」などの事実無根の話を言いふらす
  • 「皆を不安にさせていることを謝れ」など謝罪を強要をする
  • 「なぜ流行地域に行ったんだ」などとプライベートのことを必要以上に詰問する
  • 「コロナ」など悪意のある愛称で呼ぶ
  • 新型コロナウイルス感染症の陰性証明書の提出を強要する
  • 露骨に嫌な顔をしたり、冷たい態度を取る
  • 対象が触れたものを目の前で汚染されたものとして扱う
  • 不当に仕事に参加させない

また、その他の人に対して、

  • 目の前で咳やくしゃみをわざとする
  • 「コロナにかかったらクビにするからな」などの威圧的な発言をする
  • マスク着用などの感染予防策を「神経質だ」、「軟弱だ」、「気合いが足りない」などと否定する

などのことも含まれます。

なぜコロハラは生まれたのか

新型コロナウイルス感染症への危機感が高まる日本において、人々は感染のリスクに対して神経質にならざるを得ません。

咳をするなどの症状を見せた人や、新型コロナウイルスの流行地域と関連性を見出せる人などを避けたくなる気持ちは当然のことでしょう。

しかし、普通はそういったことを直接、表立って相手に言うことはしません。他人に対する遠慮と礼儀があるため、口や態度には出さずに、なるべく自然な形を装って、黙って距離を取るものです。

ところが、会社の中には明確な上下関係が存在し、立場が下の相手に対しては、失礼で、無遠慮な発言を行いやすい環境が整っています。

そのような、職場で他のハラスメントが発生するのと同じ構造のもとで、日ごろから行われているハラスメントの内容が、新型コロナウイルス関連に置き換わったものの総称として、コロハラは生まれました。

なぜコロハラをするのか

それでは、なぜ、皆が神経質になっている中で、わざわざ新型コロナウイルス関連のハラスメントをしてしまうのでしょうか。

その原因の一つが、男性の上司に多く見られる、部下とのコミュニケーションに際して、冗談めかしたいじわるなことを言い、相手に許される、許容されることに安心感や満足感を得て、その快感により自分が良いコミュニケーションがとれていると勘違いする悪しき性質です。子どもの頃に、好きな女の子にわざわざいじわるなことをするのと同じようなことを、大人になっても行っています。

そのような上司からすると、新型コロナウイルスという流行に乗った話題は、ウィットに富んだ良い冗談、いじわるのネタとして、魅力的に映ってしまいます。

上司は、皆が神経質にならないように、気持ちをほぐす、和気あいあいとした良いコミュニケーションをとっているつもりなのでしょうが、部下が笑っているのは表面だけです。発言内容がハラスメントか否か以前に、そのようなコミュニケーション手段自体が誤っていることに早く気がつくべきでしょう。

コロハラを起こさないために

コロハラを起こさないためには、結局のところ、他のハラスメントと同様のことに注意すべきでしょう。

すなわち、「常に相手の立場に立って物事を考え、相手が嫌がるであろうことをしない」ことにつきます。

自分にとっては、ちょっとした冗談やいじわるのつもりだったとしても、相手が少しでも嫌がるようなことはすべきではありません。軽い気持ちで行ったことで処分を受け、一生を棒に振る人はめずらしくありません。

しかし、気をつけているつもりでも、無意識のうちにハラスメントをしてしまうことがあります。無意識下でハラスメントをしてしまわないための注意点については、以下の記事をご参照ください。

自覚なきハラスメントで失敗しないために - アンコンシャスバイアス
あからさまなハラスメントが減ってきた現在、問題となっているのは、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)が元となった自覚なきハラスメントです。今回は、ハラスメントの加害者とならないために、アンコンシャスバイアスについて考えていきたいと思います。

なお、コロハラを受けることになる立場の人たちも、最低限、気をつけておくべきことがあります。

咳エチケットを守る

新型コロナウイルス感染症の流行下において、他人の咳に対して、皆が神経質になるのは当然です。咳が出るときは、マスクの着用を行う、ハンカチなどで口元を押さえるなど、最低限の咳エチケットを守ることが大切です。

無遠慮に咳やくしゃみなどを行っていれば、苦言を呈されるのも当然でしょう。

体調が悪ければ出勤しない

咳が止まらないなど、体調が悪いのであれば、休暇を取得するのが当然の対応です。

体調が悪くても無理に出勤するのが当たり前だという考え、強要、無言の圧力のある職場はおかしいのだということを認識しましょう。

生きていくために働いているのです。自身の健康を脅かすような会社で働くことは、本末転倒だと言えるでしょう。

もしコロハラを受けたら

コロハラによる精神的苦痛が我慢できない、加害者に制裁を与えたいなどの気持ちが強い場合、様々な相談、通報窓口が存在しています。

一番身近な相談窓口は、上司になります。もし、上司が頼りにならない、もしくはコロハラの当事者である場合は、会社のパワハラ、セクハラなどのハラスメント被害の相談窓口に通報をしましょう。

相談窓口を含めた内部通報制度が整っている、コンプライアンスがきちんとしている会社であれば、加害者には相応の制裁が与えられることでしょう。

内部通報制度が存在していない、機能していない、会社全体がハラスメントを容認する風土である場合は、「厚生労働省委託事業ハラスメント悩み相談室」のWebサイト上に、会社以外で相談できる窓口が複数紹介されています。ご参考にしていただければ幸いです。

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