ハレーションとは、ビジネス上において「周囲へ悪影響を及ぼすこと」、「副作用」などの意味で使われているカタカナ語です。
英語では「halation」と表記しますが、「bad influence」の方がより直接的な表現となります。
写真用語が由来で、IT業界、デザイン業界、医療業界などでは異なる意味合いで使われることがあるので注意が必要です。
ビジネスシーンにおけるハレーションの具体例
例えば、現場を取り仕切っていた優秀なリーダーが、ある日突然、不自然な形で退職した場合、その人物が所属していたチームにはハレーションが起こることでしょう。
例えば、経営層が、どう考えても意味のない、手間がかかるだけの思いつきの計画の実行を現場に指示した場合、現場にはハレーションが起こることでしょう。
例えば、システム開発等で、営業の人間が、事前の相談もなく無理な期間と予算で案件を受注し、開発現場に「受注したからあとはちゃんとやっといてくださいね」と告げた場合、開発現場には大きなハレーションが起こることでしょう。
例えば、共に協力して業務を進めなければならない人間が、常に感情をあらわにし、怒りを直情的に周りにぶつけていたとしたら、その人物が所属しているチームにはハレーションが絶えないことでしょう。
ハレーションは、ときに稲妻のように、ときにさざなみのように、種別を問わず様々な副作用、悪影響をもたらします。
職場はハレーションが起こりやすい
人間は感情を持った生き物であり、職場でいくら大人として冷静にふるまおうとしても、他者の言動や周囲の出来事により、怒りを覚えたり、不安になったり、ときには恐慌に陥ったりもします。
ハレーションは、感情を持った人間同士が互いの利害をぶつけ合う、会社という場所においては、特に起こりやすいと言えるでしょう。
職場でハレーションを起こさないためには
ハレーションは、基本的には、起こす側に問題があります。
共に業務を進める仲間の立場に立ってものを考えることなく、事前の情報共有を行わない、根回しを行わない、コンセンサスを取らないで物事を強硬に進めることは、仲間や関係部署を混乱させ、ハレーションを起こします。相手の立場に立った事前の情報共有、根回し、コンセンサスが何より大切だと言えるでしょう。
一方で、ハレーションを起こされる側が、必要以上に過敏に反応した結果、起こるハレーションもあります。
特に、以下の二つの特性を強く持つ人物やチームを相手にした場合に、ハレーションは起こりやすくなります。
- なわばり意識、セクショナリズム
- 現状維持バイアス、仕事を増やしたくない忌避感
彼らは、自部署がないがしろにされることが許せず、ささいな情報共有が行われなかっただけでへそを曲げて部署間の協力をしてくれなくなる、仕事をどうしても増やしたくないために、協力を求められても難癖をつけて問題化するなど、半ば理不尽なクレーマーと化し、意図的に自分たちでハレーションを引き起こします。
丁寧に相手をしても解決が難しいような場合は、業務に差し支えるため、会社として、適切な処分が行われるように動く必要があります。経営層に働きかけ、会社の機能を正常化しましょう。
ハレーションの使い方、例文
写真・カメラ業界での使われ方
写真・カメラ業界においては、「強い光が当たったことにより、その部分と周辺が白くぼやけてしまう現象」を意味します。転じて、ビジネスシーンにおいて「周囲へ悪影響を及ぼすこと」の意味で使われるようになりました。
なお、フィルムでの撮影時に起こる現象であり、デジタルカメラ、スマートフォンなどでの撮影時には起こりません。
IT業界での使われ方
IT業界では、プログラミングなどにおいて、一つの記述ミスにより、全体の動作に問題が起こるような、「一つのミスが大きな悪影響を及ぼすこと」の意味で使われます。
デザイン業界での使われ方
デザイン業界では、「彩度が高い、明るい色同士を組み合わせることで、まぶしいと感じる、目に痛いと感じる現象」を意味します。
避けるのが一般的ですが、注目を集めるために意図的にこの手法を活用する場合もあります。
医療業界での使われ方
医療業界では、「CTやMRIなどでの撮影時に、体内の金属が反射し、白く映り込んでしまう現象」を意味します。