筆者が、大手銀行系証券会社にWebマーケティング担当者として中途入社し、働いていたときのエピソードをショート動画シリーズでお届けしています。
第7話は、『年収1000万』です。
日本の伝統的な大企業への就職、転職をご検討の際に、ご参考にしていただければ幸いです。
動画の解説
2023年現在、年収1,000万円を超える報酬は、日本人の平均的な年収の額を大きく上回るものであり、一部の限られた人しか得られないものとなっています。
私たちは自然と、それだけの報酬を得ている人たちは、その報酬に見合うだけの優れた能力を持ち、日々、高度な仕事を行っていると勘違いしがちです。それだけの報酬を得ている人たちは優秀であってほしいという願望から、そのように思ってしまう面もあるでしょう。
しかし、筆者の勤めていたメガバンク系の証券会社では、仕事の基礎もままならない人材であっても、その多くが年収1,000万円以上の報酬を受け取っていました。
能力に応じた報酬が支払われるのが理想である一方で、なぜ、そのような歪みが生じてしまっているのでしょうか。その原因は、伝統的な大企業によく見られる以下の傾向に集約することができます。
- 企業の規模が大きく、簡単には倒産しないため、社員に緊張感がない、
- 業界で確固たる地位を築いており、新しい試みをしなくても、一定の収益を上げ続けることができるため、社員に成長が求められない。
- そのように、社員の質が低下し続ける一方で、給与だけは、その企業をそこまで大きくしてきた優秀な先人たちに支払われてきた水準が維持されている。
どれだけ、企業の規模が大きく、業界で確固たる地位を築いていても、中にいる社員たちが、時代に合わせた事業のアップデートをしていかなければ、その会社は、徐々に、徐々に、衰退していきます。そして、崩壊の予兆に気づいたときには、すでにそれを食い止める軌道修正が難しい状態となっていることがほとんどです。
年収や福利厚生を求めて、大企業への就職、転職を目指すのは、一つの正解ではありますが、その会社が発展をやめた図体だけが大きな企業なのか、会社と社員がともに成長する未来ある企業なのか、きちんと見極めておく必要があると言えるでしょう。