実際に転職活動を始める際に決めなければならないのは、どの転職サイトを利用するのかということです。
転職サイトによって、取り扱っている求人情報の数や質、求職者に提供しているサービスの内容などに、大きな差があることは認識しておく必要があります。
どの転職サイトに登録し、活動を進めていくかの選択が、転職活動の結果の正否をわけると言っても過言ではありません。
そこで今回は、求職者それぞれの活動方針にあわせた転職サイトのおすすめと、その活用方法などについて、筆者の実体験をもとにご紹介できればと思います。
目次
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転職サイトの3種別とサービス例
まずは、転職サイトにどのような種類があるかについて、見ていきたいと思います。そこから、自身の活動方針にあったサービスを選んでいきましょう。
転職サイトは、その提供しているサービスによって、大きく以下の3つに分類することができます。
- エージェントサービス
プロのアドバイザーが転職活動を助けてくれるサービスです。応募先の企業担当者とは基本的にエージェントがやりとりしてくれます。
例)リクルートエージェント、JACリクルートメント など - 求人情報系サービス
好みの求人情報を自分で検索して探せるサービスです。応募先の企業担当者とは基本的に求職者がやりとりします。
例)リクナビNEXT、マイナビ転職 など - スカウト型サービス
企業やヘッドハンターからのオファーを待つサービスです。オファーをくれた方と求職者が直接やりとりします。
例)ビズリーチ、リクルートダイレクトスカウト など
- 3種別の複合型サービス
プロのアドバイザーが付いてくれた上で、好みの求人情報を自分で検索して探せ、企業からのオファーも待つことができるサービスです。
例)doda(デューダ) など
それぞれの具体的な特徴とおすすめのサービスについて、ご紹介していきます。
エージェントサービスの特徴とおすすめ
筆者が実際に利用した「リクルートエージェント」の例をもとに、転職のエージェントサービスの特徴をご紹介します。
まず、利用の流れは以下のとおりです。
- Webサイトから自身の情報を入力し、利用登録を行う
- 履歴書と職務経歴書を作成し、アドバイザーに送付する
- アドバイザーと面談を行い、希望を伝え、求人情報を紹介してもらう
- 企業に応募し、アドバイザーと相談しながら選考を進める
最も大きな特徴は、求職者それぞれに転職のプロがアドバイザーなどの担当者としてつき、無料で様々なサポートを行ってくれるということです。
サポートの範囲は、「転職に関するアドバイス」、「求人情報の紹介」、「履歴書と職務経歴書の添削」、「模擬面接」、「面接スケジュールの調整」、「入社後の年収額の交渉」など、多岐に渡ります。
アドバイザーが企業側とのやりとりを一括して行ってくれるため、自身でスケジュール調整を行う手間が省け、忙しくなりがちな働きながらの転職活動においてたいへん助かります。
しかも、アドバイザーは、数多くの求職者の転職をサポートしてきたその道のプロです。転職の素人である我々にとって、頼りになる存在だと言えるでしょう。
ただし、エージェントサービスを提供している会社は、サービスを通じて求職者が入社した際の年収額に応じた報酬を企業側から受け取る、成果報酬型のビジネスモデルであることがほとんどであるため、「転職の意欲の低い求職者」や「内定の可能性の低い求職者」へのサポートは手薄になる傾向にあります。
求職者は、応募先の企業だけではなく、アドバイザーに対しても、自分が意欲のある魅力的な人材であることを伝えていく必要があると言えるでしょう。
なお、どんなに評判のよいエージェントサービスであっても、アドバイザーの質には差があり、頼りにならない担当者がついてしまうこともありえます。アドバイザーに安易に頼ることなく、自分自身の頭で考え、判断していくことが、何より大切だと言えるでしょう。
以上の特徴をもとに、ポイントをまとめると以下のようになります。
- 転職活動を行う上での面倒ごとをアドバイザーに任せられる
- 転職のプロに相談しながら活動することができる
- 自身の人材価値をアピールできないと満足いくサービスを受けられないことがある
- アドバイザーの質に差があり、満足いくサービスを受けられないことがある
- 働きながらの転職活動で面倒ごとを他の人にやってもらいたい人
- 自分自身の人材としての価値をアピールできる人
筆者がおすすめする転職エージェントサービスの一つ目は、「リクルートエージェント」です。
保有している求人情報の多さは、求職者の選択肢の多さに直結します。その点、リクルートエージェントは業界最大手であり、頼りになる存在です。
アドバイザーの人材の質においても、筆者が2回利用した経験上、きちんと教育がなされており、サービス提供に関して一定のクオリティが担保されていると感じました。
筆者は2度の転職経験において様々なサービスを利用してみましたが、結局は2度ともリクルートエージェント経由で内定をもらった企業に入社することになりました。29歳時の転職では年収が350万円から500万円にアップし、35歳時の転職では年収が700万円から900万円にアップしており、あくまで個人の結果と感想にはなりますが、よいサービス提供をしてもらえたと感じています。
筆者がおすすめする転職エージェントサービスの二つ目は、「JACリクルートメント」です。
JACリクルートメントは、求職者としてではなく、筆者が勤めている会社で中途採用を行う際に、募集側として利用した経験があります。
その際、JACリクルートメントの担当者は、会社として一度断ろうとした人材について、「もっとこんな魅力がある」、「この人を逃したらもう他に探すのは難しい」など、求職者のために一生懸命に活動してくれていました。
求職者にとっては、頼りになるサービスだと感じています。
ターゲットがハイクラス・ミドルクラス層となっているので、転職で年収600万~1500万を目指す方にはお勧めです。
求人情報系サービスの特徴とおすすめ
筆者が実際に利用した「リクナビNEXT」の例をもとに、転職の求人情報系サービスの特徴をご紹介します。
まず、利用の流れは以下のとおりです。
- Webサイトから自身の情報を入力し、利用登録を行う
- 履歴書と職務経歴書を作成し、サービスに登録する
- Webサイト上で求人情報を検索するなどし、応募する
- 自分で企業ごとに書類選考や面接などを進める
自分自身で求人情報を探し、応募して、選考に臨む、最も一般的な形の転職活動を支援してくれるサービスです。多くの場合、企業からのスカウト機能も提供されています。
求職者に対してアドバイザーなどの担当者がつかないため、急かされることもなく、自分のペースで転職活動を進めることができます。
一方で、書類の作成から企業研究、面接対策、選考スケジュールの管理、年収額の交渉まで、すべてを自分で行わなければならず、働きながらの転職活動では忙しくてたいへんな思いをするかもしれません。
また、基本的には転職のプロのサポートを受けられないため、エージェントサービスを利用したときよりも選考で苦戦する人も少なからずいるでしょう。
なお、応募先の企業担当者と直接やりとりすることになるため、企業担当者からの連絡の時間帯や文面、レスポンスの早さなどから、その会社の職場環境などの風土が読み取れる可能性があります。
筆者としては、エージェントサービスに比べると、そこまで魅力を感じなかったというのが率直な感想となります。ただし、転職の意向度がまだ高くない段階で、世の中にどのような求人情報があるのか確認してみたいときなどには、転職活動の第一歩として有用なサービスだと言えるでしょう。
以上の特徴をもとに、ポイントをまとめると以下のようになります。
- 自分のペースで転職活動を進められる
- 応募先の企業担当者と直接やりとりができ、読み取れる情報が増える
- 転職活動を行う上での面倒ごとをすべて自分で行う必要がある
- 転職のプロに相談しながら活動することができない
- 自分のペースで転職活動を進めたい人
- 自分の力だけで転職活動を進めたい人
筆者がおすすめする転職求人情報系サービスは、「リクナビNEXT」です。
保有している求人情報の多さは、求職者の選択肢の多さに直結します。特に、自分自身で検索して求人情報を探す必要がある求人情報系サービスでは、求人情報の多さこそが最も重要な要素だと言えるでしょう。
その点、リクナビNEXTは業界最大手であり、転職で求人情報系サービスを利用するならば、いの一番に登録することが推奨されるサイトとなっています。
また、複合型サービスを提供している「doda(デューダ)」もおすすめです。
dodaもその保有している求人情報の多さは業界最大級であり、さらにエージェントサービスもあわせて提供しているため、気になった求人情報が見つかった際にはすぐにプロのアドバイザーに相談することもできます。
求人情報系サービスのデメリットを補うことができるサービスだと言えるでしょう。
スカウト型サービスの特徴とおすすめ
筆者が実際に利用した「ビズリーチ」の例をもとに、転職のスカウト型サービスの特徴をご紹介します。
まず、利用の流れは以下のとおりです。
- Webサイトから自身の情報を入力し、利用登録を行う
- 履歴書と職務経歴書を作成し、サービスに登録する
- ヘッドハンターや企業からのスカウトを待つ
- ヘッドハンターからスカウトを受けた場合は、エージェントサービスと同じ進行へ
企業からスカウトを受けた場合は、求人情報系サービスの応募後と同じ進行へ
筆者がスカウト型サービスを利用した際は、筆者の職務経歴書の内容が悪かったのか、スカウトの多くが企業からのものではなく、ヘッドハンターと呼ばれるエージェントサービスの運営事業者たちからのものでした。
そのため、スカウト型サービスに関しては、エージェントサービス運営事業者たちの営業活動の場という印象が残っています。ヘッドハンターたちは、常に価値ある人材のサービス登録を待っており、人材としての価値があると判断されると、様々な事業者から無数のスカウトをもらうことになります。
ただし、サービス利用の前提として、ヘッドハンターたちから見て魅力的な、スカウトをもらえるだけの経歴が必要なことには注意が必要です。管理職経験者や専門技能の持ち主、グローバル人材などの即戦力が対象のサービスとなります。
もし、スカウトを受けることができたら、スカウトをくれた様々なエージェントサービスの担当者と積極的に面談をしていくことで、転職活動における多角的な知見を得ることができます。特定の職種に特化した担当者も多く、エージェントサービスを一つだけ利用した場合と比べると、得られる情報の量と質に差が生まれてきます。
結果として、職務経歴書の内容や面接での応対を研ぎ澄ませることができ、選考の通過率の向上につながります。
一方で、複数のエージェントサービスの担当者と面談をし、選考を進めていくのは、かなりの重労働となります。スケジュールの調整だけではなく、担当者によって異なる職務経歴書の内容を求められるなど、働きながらの転職活動を行っている場合などは、苦労することになるでしょう。
幅広い知見を得るために、面談はなるべく多くの担当者と行い、いざ応募をする段になったら、応対する担当者を二人か三人にしぼるなどの使い方をおすすめします。
以上の特徴をもとに、ポイントをまとめると以下のようになります。
- 転職活動における多角的な知見を得られる
- 職務経歴書の内容や面接での応対を研ぎ澄ませ、選考の通過率を上げられる
- 前提としてスカウトをもらえるだけの経歴が必要となる
- 複数のスカウトの応対はかなりの重労働となる
- 妥協をしない、質を突きつめた転職活動をしたい人
- 人材として即戦力、ハイクラスだという自覚がある人
筆者がおすすめする転職スカウト型サービスは、「doda(デューダ)」です。
スカウト特化型サービスとしては、ビズリーチやリクルートダイレクトスカウトなどが有名ですが、対象がそれなりのハイキャリア層となっており、正直一般的な求職者向けではありません。
また、前述のように、企業からのスカウトだけではなく、無数のエージェントサービス運営事業者たちから営業活動を受けることになり、求職者側の対応の負担は大きいものとなります。
その点で、dodaは、スカウトが無数のエージェントサービス運営事業者から来ることはなく、企業からの直接のスカウトとなっており、さらにdodaとしてエージェントサービスも提供してくれているため、対応の負担を軽減しつつ安心してスカウト型サービスを利用することができます。
肝心の求人情報数も業界トップクラスなため問題ありません。
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