国立民族学博物館への就職/転職はアリ? 元職員による本音レビュー

本レビューは、元職員による寄稿を、公益の観点からネガティブな内容も含め掲載しています。レビュー内容は一個人の見解であり、当該組織がブラックな職場かを断定するものではありません。

腕を組むビジネスパーソン

私は2014年から2020年までの間、大阪府にある国立民族学博物館に職員として働いたことがあります。ここでは、国立民族学博物館が就職先や転職先としてお勧めなのか、健やかに働いていける職場環境なのか、ブラック企業なのかどうかといった観点で、実際のところをお伝えします。

国立民族学博物館」の基本情報

英名 National Museum of Ethnology
所在地 大阪府吹田市千里万博公園10-1
開館 1977年11月
運営予算 29億7400万円(2007年度)

事務職員ながら仕事内容は実に多いですが、その分、やりがいはあります

私が配属されたのは博物館の物品を調達する部署でした。物品の調達ということでしたので、展示品を調達する仕事かと思っていましたが、もちろんそうした仕事もありますが、それ以外にも様々な仕事があります。

例えば、受付案内のスタッフの手配や、展示場にある映像コンテンツのリプレイス、電子ガイドをバージョンアップなど、実に多くの業務があります。展示場に関する調達のほか、博物館全体の警備契約や清掃契約などといった仕事もあり、博物館には実に多くの人が関わっていることを改めて感じました。

このように仕事内容は多岐にわたっていますが、その分、博物館に貢献しているという自負があり、とてもやりがいのある職場でした。

事務職員ですので、勤務時間は基本的に平日のみですが、展示場対応のため3ヶ月に1度程度は土日に当直勤務もあります。

残業については基本的にほとんどありません。ただ、特別展の開催期間中は多くの人が来場しますので、入館者数の集計や展示場の見回りなどの業務も増えることとなります。このため、残業時間は多少発生しますが、それほど長く残業することはありません。

職場の雰囲気は良く、健やかに働いていけます

職場の雰囲気は非常に良いです。何か困ったことがあれば周囲の人が積極的に声をかけてくれましたし、相談にものってくれました。

特に採用間もないことは分からないことだらけでしたが、周囲の助けによって無事に過ごすことができ、本当に感謝しています。上司の方も大変親切・丁寧でしたので、ストレスなく働くことができました。

もちろん、ハラスメントと言ったものは私が在職中はありませんでしたので、健やかに働いていける職場環境でした。

採用後は初任者研修があり、そこで基本的な知識をしっかり身に付けることができます。また、主任になれば主任研修、係長になれば係長研修など、役職別に研修が用意されていますので、スキルアップも十分に可能です。

さらに、年に数回は他の博物館へ出張して、そこの博物館と意見交換を行なうといった制度もあります。来館者を増やすためにはどのようにしたら良いのか、より安価に契約するためにはどのような工夫が必要なのか、など様々な問題点についてディスカッションします。こうした制度を通じて、スキルを高めていくことが可能です。

昇給あり、ボーナスや残業手当もきちんと支給されます

給与については博物館が定める給与規定により支給されます。初任給で月約20万円弱といったところです。そして毎年1回、定期昇給があり、特に勤務評価が良い人については特別昇給というものもあります。

この博物館では人事評価システムが確立されていますので、仕事を頑張った分、しっかりと給与に反映してくれます。このため、モチベーションを保ちながら仕事をすることが可能です。

ボーナスについては夏と冬の年2回支給され、こちらも勤務評価によって支給額が変動する仕組みとなっています。

もちろん、残業代についてもしっかりと支給されます。年収は初年度は400万円ほどですが、退職時(12年間勤務)には年収650万円ほどになっていました。

このように仕事の幅が多くその分、やることは多いものの、職場の雰囲気や給与面が非常に優れていますので、その意味でもストレスなく働くことができる職場環境でした。

ブラック企業な面もあります

その一方で、ブラック企業な面もあります。まずは来館者からのクレーム対応です。来館者からのクレームについては一次対応は展示場にいる案内スタッフで対応し、そこで対応できなければ展示場運営担当の事務職員が対応するという形が通常でした。

しかし、当直勤務においては展示場運営担当の事務職員がいませんので、当直勤務日において案内スタッフが対応できなければ、当直者が対応する必要があります。

トイレが汚い、展示物が見えにくい、空調が効いていない、などクレーム内容は多岐にわたり、それらに対して丁重に対応する必要があるのです。対応方法が分からなければ事情を聞いて、後日、展示場運営担当の事務職員へ報告して対応するということになりますが、当直勤務ではかなりのプレッシャーとなります。

このほか、業者対応にも苦慮することがあります。清掃が上手く行なわれていなかったり、警備が不十分といったケースもありましたので、その対応で業者と交渉することもあり、これもかなりの労力を割くこととなるわけです。

こうしたストレスを抱えることもありましたので、その点はブラック企業レベルと言えるかもしれません。

国立民族学博物館のブラック企業レベル

国立民族学博物館のブラック企業レベルは、5段階評価中の1です。少しブラックなところもある一般的な職場です。

【参考】ブラック企業レベルとその目安

  • 5…すべての人にお勧めできません。
  • 4…過酷な労働を愛する人以外にはお勧めできません。
  • 3…強いストレスへの耐性がない人にはお勧めできません。
  • 2…他人よりもストレスに弱い人にはお勧めできません。
  • 1…少しブラックなところもある一般的な会社です。

幅広い仕事ができることや先輩たちがとても親切・丁寧であること、残業代やボーナスがきちんと支給されていることから、健やかに働くことができる職場環境と言えますが、その一方で、来場者からのクレーム対応や業者対応に奔走することもありますので、1と評価しました。