西日本鉄道への就職/転職はアリ? 元社員による口コミ・評判

本レビューは、元社員による寄稿を、公益の観点からネガティブな内容も含め掲載しています。レビュー内容は一個人の見解であり、当該企業がブラック企業かを断定するものではありません。

腕を組むビジネスパーソン

ここでは、西日本鉄道株式会社(バス事業)への就職や転職を検討している方に向け、実際に勤務していた元社員が西日本鉄道株式会社は就職や転職をする先の会社としてお勧めなのか、健やかに働いていける職場環境なのか、いわゆるブラック企業ではないかといった観点で、実際のところをお伝えしていきます。

西日本鉄道株式会社」の基本情報

設立年月日 1908年12月17日
創立年月日 1942年9月22日
本社 福岡市博多区博多駅前三丁目5番7号
資本金 261億5,729万円
営業収益 年間137,361百万円(2020年度)
車両数 自動車1,674台(乗合バス、貸切バス、特定バス車両)
鉄道 311両
従業員数 4,706人

西日本鉄道株式会社は福岡県を中心とした九州最大の運輸業

西日本鉄道株式会社は主に福岡県内の鉄道事業を中心に、バスから不動産、ホテル運営までと幅広く事業を行う、福岡県では誰もが知る運輸業の会社です。

福岡県内を中心にくまなく路線を張り巡らしているバスは、バス事業だけをとっても日本で有数です。グループ会社も85社というとてつもなく大きい規模の企業です。ここでは、西鉄バスに特化してお話ししていきます。

西日本鉄道株式会社の社風は、一言でいうと大変厳しいです。最近では少しだけ柔らかくなった印象もありますが、少し前までは自衛隊並みの厳しさでした。大手であるプライドなのか、身だしなみはもちろん、業務一つひとつに厳しいチェックが入ります。

とはいえ、ドライバーは普段は運行しているため、会社内にはほとんど居ることはありません。そのため、極端に窮屈であることはなかったです。

運転が好きであれば問題はないでしょうが、当然、勤務時間はほぼ運転に充てられます。バスは早朝から深夜近くまで運行していますので、その勤務時間は大変長いです。遅番早番があるとしても、なかなか長時間労働です。

この長時間労働に耐えられずに辞めるドライバーは多くいます。働き始める前には、特にこの一点だけは肝に銘じておく必要があります。

拘束時間がとにかく長い

西日本鉄道株式会社のバス事業は、とてつもない労働時間です。もちろん労働基準法に違反していることはないのでしょうが、感覚的にはとにかく働き続けているといった感じです。

その上、交代制の不規則勤務であるため、肉体的な負担はとにかく半端ないです。早番は早朝4時台から出勤します。遅番は最終便にもよりますが、深夜1時近くなることもあります。

早番は、基本的には夕方までには帰宅することが出来ます。そして、遅番は逆に夕方からの出勤が多いです。この2つのシフトの時はまだ楽なのですが、このシフトは全勤務の半分以下で、それ以外の半分以上のシフトは終日勤務になります。

終日勤務は、早朝5時位から夜11時くらいのパターンが一番多いです。もちろん、終日勤務の時はずっと運転し続けているというわけではありません。フルで運転の時もありますが、間に長い休憩をはさみます。

そして、この休憩も2~3時間の時もありますが、時には7時間近く空く時もあります。また、1~2時間の休憩を勤務の間に何回もはさむというパターンもあります。

そのため、終日勤務の時は帰宅してから眠るまでの時間は1時間もありません。朝は15分くらいで毎朝飛び起きての出勤です。終日勤務の場合は、このように解放時間がほとんど取れません。

中には、会社で日常的に寝泊まりしているドライバーもいました。または自宅に帰らずに、会社に停めている自家用車の中で仮眠を取るドライバーまでいました。

60歳までは、このようなシフトで働いています。ドライバーには年配の方も多くいたのですが、この勤務をこなしていることに尊敬していました。慣れもあるのかもしれませんが、正直若くないと務まらない職場です。

西日本鉄道株式会社の年収は低い

西日本鉄道株式会社の年収は、エンジャパンの調査では約350万円です。西日本鉄道株式会社の年収は西鉄本体か、グループ会社かで違いがあります。やはり、西鉄本体が年収も高いです。

西日本鉄道株式会社のバスは一見どれも同じように見えますが、その所属する営業所によってグループ会社か本体かに分かれています。年収だけでなく、退職金も本体かグループ会社かで違ってきます。

しかも、グループ会社では住宅手当はおろか、交通費の支給もありませんでした。わずかな家族手当と各種運行手当のみです。そのため、退職者は後を絶ちません。常に会社は人材を募集しています。

前述の通り、拘束時間がとにかく長いですが、一応残業時間はほとんどありません。決まった時間のみを働くといった職場です。

スキルアップ体制もほとんどなく、数年に一度西鉄の自動車学校で行われる研修のみです。研修内容も実がある内容とは言い難い、通り一遍のものでした。

非常に厳しいチェック体制

西日本鉄道株式会社のバス事業所は、ドライバーを非常に厳しいチェック体制で監視しています。カメラや無線だけではなく、時にはドライバーに気づかれないように巡視を派遣して、運転状況をチェックしています。

特に厳しいのは、アナウンスに関してです。アナウンスを省略していると必ず引っかかります。これに引っかかれば厳しい研修が待っています。軍隊なみの厳しさで、3~4日過酷な訓練を受けさせて戒めさせます。これはハラスメント以外の何物でもないと感じました。

しかし、バスに乗っていれば監視はされているものの、基本的にほとんど一人なので精神的には楽です。お客さんにストレスを感じることもありますが、会社の人間関係の難しさに比べれば楽なものです。

とはいえ、西日本鉄道株式会社はブラック企業レベルと言って差し支えないと感じました。

まとめ

西日本鉄道株式会社はこのように過酷な職場です。しかも、それに見合わない年収と待遇と言えます。この職場で長く働くには、ひとえに根性とあとは慣れです。この状況でも、長い間続けていると自然に慣れ始めてきます。

西日本鉄道株式会社の就職/転職おすすめ度は2です。過酷な労働を愛する人以外はおすすめできません。

【参考】就職/転職おすすめ度とその目安

  • 5…ほとんどの人にお勧めできる会社です。
  • 4…多少のストレスは許容する必要があります。
  • 3…強いストレスへの耐性がない場合はお勧めできません。
  • 2…過酷な労働を愛する人以外にはお勧めできません。
  • 1…すべての人にお勧めできません。

極端な職場なので、向いている人には向いています。しかし、向いていない人は絶対に向いていません。