デフォルトとは、「初期設定値」、「標準」、「普通」、「定番」、「当たり前の状態」などの意味で使われているビジネス用語です。省略して「デフォ」とも言います。
また、金融業界では、「債務不履行」、「支払いを怠ること」を意味する言葉として使われています。
英語の「default」をそのまま使ったカタカナ語です。英語の本来の意味としては、後者の金融業界での使い方が正しいものとなります。
今回は、IT用語から派生したデフォルトと金融業界におけるデフォルトの意味の違いや、それぞれにおけるデフォルトの言葉の使い方、例文、国がデフォルトに陥るとどうなるのかなどについてご紹介します。
IT用語から派生したデフォルト
コンピューターやソフトウェアの工場出荷時の初期状態の設定のことをデフォルトと言います。
この「初期設定値」という意味から派生して、コンピューターやソフトウェア以外の事柄の「標準」、「普通」、「定番」、「当たり前の状態」を指す言葉としても使われるようになり、一般的なビジネス用語となっています。
ビジネスシーンにおけるデフォルトの重要性
労働者は、自分が仕事をしやすいように、資料のテンプレートやツールの設定などについて、各々が様々なカスタマイズを行っていきます。
それ自体は悪いことではありませんが、組織として効率的に業務を進める上で、最低限の画一性は必要となります。
特に、機械的に処理する必要がある書類などは、効率的に処理ができる「標準」のフォーマットを定めておくことが大切です。
案件に応じたフォーマットのカスタマイズを行いたい場合も、常にその定められたデフォルトのフォーマットを基にして改変を行い、管理することで、あらゆるフォーマットが氾濫し、収集がつかなくなる事態を防ぐことができます。
また、新規配属者の業務環境を整える際にも、業務環境のデフォルトがどのような状態であるべきかが定められていれば、教える人間によって新規配属者の業務環境が大きく異なってしまい、業務進行の足並みがそろわないなどの事態を防ぐことができます。
やみくもに改変を繰り返すのではなく、汎用性のあるデフォルトがあってのカスタマイズであることを意識しておくとよいでしょう。
使い方、例文
IT用語から派生したデフォルトの使い方、例文をご紹介します。
金融業界におけるデフォルト
金融業界において、デフォルトは、「債務不履行」、「支払いを怠ること」などの意味で使われています。前述のとおり、英語のdefaultは、本来はこちらの意味です。
「義務の不履行」、「義務を果たしていない状態」というニュアンスが、「何もしていない状態」=「初期設定値」としてIT用語に用いられるようになったと考えられます。
デフォルトに陥るケース
個人であれば、クレジットカードで商品を購入したはよいが、その支払いができなくなった場合などにデフォルトとなります。
企業であれば、銀行から借りた資金や自社で発行した債券などの利子の支払いや元本の返済(償還)が不可能となった場合にデフォルトとなります。
国であれば、発行した国債の利子の支払いや元本の償還が不可能となった場合にデフォルトとなります。
国がデフォルトに陥るとどうなるのか
近年、デフォルトを起こした国としては、アルゼンチンやギリシャ、レバノンなどが挙げられます。
国がデフォルトを起こした場合、ほとんどの場合、以下のような影響が出ます。
- デフォルトを起こした国債の格付けが落ちる
- その国の通貨の価値が落ち、インフレーションが発生する
- 財政状態が悪化し、公共サービスの質が低下する
いきなり国が滅亡するということはありませんが、国民は経済状況の悪化に直面し、長きに渡り苦しむことになるでしょう。
使い方、例文
金融業界におけるデフォルトの使い方、例文をご紹介します。