自分がいないと仕事が回らない…転職に踏み切れないときの考え方

忙しく悩んでるビジネスパーソン

転職を検討しているけど、今、自分が抜けてしまうと職場の仕事が回らなくなってしまう…などの理由で、退職をためらっているという声を聞くことがあります。

他人からは、「どうせ辞めるのだから、辞めたあとがどうなろうと関係ないだろ」とわかったような顔で言われがちな悩みですが、当人にとっては深刻な悩みであることも少なくありません。

そこで今回は、自分がいないと仕事が回らないなどの理由で、転職に踏み切れないときに、どのように考えて前に進んでいけばよいのかについて、ご紹介できればと思います。

目次

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仕事が回らなくなる責任は誰にあるのか

まず、メンバーが退職することで、仕事が回らなくなることの責任の所在をはっきりさせておきたいと思います。

その責任の所在は間違いなく会社側にあり、メンバーが一人抜けただけで回らなくなるような体制、人員配置をとっていたことに非があります。

コロナ禍以降、急な人員不足の発生などへの危機感から、会社の事業継続性に関しての問題意識も高まりました。そのような状況下においても、メンバーが一人、急にいなくなった程度で事業が行き詰まるのであれば、それは会社側の準備不足だと言わざるをえません。

退職する旨を上司に告げた際に、場合によっては、「それは困る」、「仕事はどうするんだ」、「責任感がない」などと言われるかもしれませんが、自身が責任を感じる必要はまったくありません。

自身が退職することによって職場の仕事が回らなくなることの責任を、自分で背負う必要はないのです。

辞めることで自身にどのようなデメリットがあるのか

次に、自分がいないと仕事が回らない状況下で退職することで、自身にどのようなデメリットが実際に発生しうるのかを整理することをお勧めします。

主に考えられるデメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 転職後も同じ業界いる予定なのに、業界内で「仕事をほっぽり出して辞めた」などの悪評が立ってしまう
  • 退職後も職場の人間たちとの関係性は維持したいのに、わだかまりができてしまう
  • なんとなく後味が悪い

それぞれについて、詳しく見ていきたいと思います。

業界内で悪評が立ってしまう

筆者が一時期勤めていた証券業界などはせまい業界であり、業界内で転職をする際には、応募先の会社から現職や前職の会社に対して、応募してきた人間はどのような人材なのかと人づてに探りが入るようなことがありました。

転職者自身にやましいことがなくとも、一方的に悪感情を抱かれ、悪評を流されてしまうケースはありえます。

せまい業界内で転職しようと考えている場合は、留意しておく必要があるでしょう。

職場の人たちとわだかまりができてしまう

前述のとおり、メンバーが退職することで仕事が回らなくなることの責任は会社側にありますが、残されるメンバーが同じように考えてくれるとはかぎりません。

退職時にそこらへんの感情的な部分の処理を間違えると、在職中からギクシャクしてしまい、退職後の人間関係の維持も難しくなってしまうでしょう。

なんとなく後味が悪い

なんとなく後味が悪いという論理的とは言えない気持ちも、心理的な負荷が生じている状態として、きちんと不利益と認識しておくことをお勧めします。

辞めることに後味の悪さがあるということは、その職場で問題なく仕事を回している自分に、少なからず誇りや居心地のよさを感じていたのではないでしょうか。

もしかしたら、転職したいと考えてはいるものの、職場の人間関係自体は悪くなかったのかもしれません。

最終的な判断はメリットとデメリットの大小の比較

自分がいないと仕事が回らない状況下で退職することのデメリットが整理できたら、逆に退職することのメリットを洗い出して、そのどちらが大きいのかを比較することをお勧めします。

退職することのメリットや、その他考えうる退職のデメリットにつきましては、以下の記事で詳しく解説しています。ご参照いただければ幸いです。

今、会社を辞めるべきか否か、転職を決断する判断ポイントを解説
誰しも一度は、会社を辞めたいと思ったことがあるのではないでしょうか。しかし、本当に辞めるべきか否かについては、なかなか決めがたいのが実情です。今回は、その大事な決断で間違わないための、判断ポイント、考え方をまとめていきたいと思います。

退職するメリットの方が大きいと判断すれば、仕事を可能なかぎり丁寧に引き継ぎした上で、あとのことは気にせずに粛々と退職するのがよいでしょう。退職するデメリットの方が大きいと判断すれば、現職で引き続きがんばるか、今後の退職に向けて、自身が退職しても仕事が回る体制の構築に勤しむとよいでしょう。

残念ながら、会社の体質というものは変わらないものであり、待っているだけでは、メンバーが一人欠けただけで破綻するような体制が変わることはありません。自分自身で体制を変える努力が必要となります。

本当に仕事は回らなくなるのか

最後に、そもそも自分が抜けたら本当に仕事が回らなくなるのかという点については、きちんと考えておく必要があります。

どれだけ優秀な人が突然抜けたとしても、基本的に会社というものはすぐには破綻などせず続いていくものです。組織として特定箇所の仕事の質は下がりつつも、その質が低下した状態が当たり前の状態となり、表面上は安定するものです。

人は、自身がいなくなった際のインパクトを過大に評価しがちだと言われています。そして、それは事実だと言わざるをえません。

人間は、その適応能力の高さから、地球上で繁栄することができています。メンバーが一人いなくなると知ったその瞬間は、皆、不安に思うものですが、いざいなくなれば、否が応でもいない状態に適応して、普通に新しい日常を歩み出すものです。

自分自身の未来のために転職する必要があると考えたのならば、自分のメリットとデメリットだけを考えて行動することをお勧めします。

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