Z世代、ミレニアル世代とは? 意味とそれぞれの特徴や価値観を解説

デジタル機器に親しむ子どもたち

日本社会も世界のIT化に伴い、IT技術を活用できる人材を求めています。その中心となることが期待されているのがZ世代とミレニアル世代です。

Z世代(ゼットセダイ)とは、一般的に1990年代中盤から2000年代終盤の間に生まれた世代の人たちのことを指します。年代の定義については、厳密に定められているわけではなく、国や使われる場面によって前後にずれます。

英語では「Generation Z(ジェネレーションZ)」と表記されます。

真のデジタルネイティブの最初の世代と言われ、ソーシャルネイティブとも評されます。

ミレニアル世代とは、一般的に1980年代序盤から1990年代中盤の間に生まれた、2000年(ミレニアム)年代に社会進出を果たした世代の人たちのことを指します。年代は国や使われる場面によって多少前後にずれることがあります。

英語では「Millennials(ミレニアルズ)」と表記され、Y世代(Generation Y/ジェネレーションY)とも呼称されます。

Z世代の一つ前の世代であり、デジタルネイティブの最初の世代と言われています。

どちらの世代もITに対して抵抗がない人が多い点では共通していますが、それぞれ育った時代背景が異なるので、世代ごとに特徴を捉えたマーケティングが必要となります。ここでは、Z世代、ミレニアル世代それぞれの特徴や、それぞれが育った時代背景について解説していきたいと思います。

Z世代の特徴

Z世代にはどんな特徴があるのでしょうか。Z世代が育った背景や特徴を見ていきたいと思います。

現実主義

Z世代の代表的な特徴として現実主義的な価値観を持っていることが挙げられます。

Z世代が生まれた時代は、日本においてはバブル崩壊後に当たります。Z世代の親もバブル終末期もしくはバブル崩壊後に生まれた人が多くいます。加えて、2002年にリーマン・ショックが起こっており、不景気な社会しか経験していない人が大半なため、自然と現実主義に育つ傾向があります。

真のデジタルネイティブ世代

Z世代が物心付く頃には、携帯電話やパソコンが一般家庭にすでに普及していました。そのことから、最初の真のデジタルネイティブ世代だと言われています。

加えて、2010年頃からスマートフォンも普及しています。いわゆるガラケーを知らずに育った子どもも多く、スマートフォンを通して気軽にインターネットに触れてきた人が中心でしょう。TwitterやInstagram、LINEなどのSNSも物心ついた頃から普及しており、ただ機械に触れることに抵抗がないだけでなく、SNSなどWebサービスを使うことにも抵抗のない人が多く存在しています。そのことから、ソーシャルネイティブとも言われます。

また、SNSの普及により、遠くに住んでいる人と関わることに抵抗を持っていない人が多いのもZ世代の特徴です。

かつてはインターネットに顔や個人情報を載せることはNGという考えが強かったと言えますが、Z世代はルールさえ守っていれば顔を載せても問題ないという考えを持つ傾向にあります。そのため、人によってはSNSを使って海外に住んでいる人と交流を図る人もめずらしくありません。SNSを通してたくさんの人と交流が持てることから、Z世代は個性を認め、多様な価値観を持ち合わせている人も多いと言えます。

モノ消費よりコト消費

2010年以降急速に普及しているのが、月額料金を支払ってサービスを利用するサブスクリプションサービスです。動画配信サービスや音楽配信サービスなどが登場しており、Z世代はサブスクリプションサービスの利用者層の中心となっています。

かつては、CDやDVDなどは欲しいものを購入して所有するのが基本でした。しかし、サブスクリプションサービスが登場したことにより、これらを所有するのではなく、毎月一定の料金を支払って好きな作品を視聴できるようにする、体験を重視する考え方が広まりました。

これが広まった理由には不景気の影響が大きいと考えられています。バブル世代は物価が安く年収が高い状況で過ごしているので、欲しいものを自由に買えましたが、Z世代はそうもいきません。

そこで所有するのではなく、体験を購入するという考え方に転換し、自分のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を向上させていると考えられます。サブスクリプションサービスは多様化しており、家具や洋服のサブスクリプションサービスも登場するほどです。良いものを所有するのではなく一定期間借りて満足できるのは、Z世代の特徴と言えるでしょう。

ミレニアル世代の特徴

次に、ミレニアル世代の特徴や、この世代の人達が育った時代背景を見ていきたいと思います。

デジタルネイティブ世代

ミレニアル世代は、インターネットが普及し始めた時代に幼少期を過ごしてきた世代です。家庭用パソコンや携帯電話が登場し始めた頃なので、更に前のX世代などと比べて、デジタル機器を使うことに抵抗を持っていない人の割合が多いと言えます。

生まれた頃から携帯電話やパソコンが普及していた真のデジタルネイティブ世代であるZ世代には及びませんが、最初のデジタルネイティブ世代とされています。

ただし、ミレニアル世代はまだインターネットを開かれた交流手段として用いることがめずらしく、インターネット自体にアンダーグラウンドなイメージを持つ人も多く存在しています。そのため、インターネットに個人情報を載せることに強い抵抗を持つ傾向にあり、Z世代と比べて、インターネットに対しては保守的な考えを持っている人が多いと言えます。

一方で、ミレニアル世代の幼少期はIT技術が発展途上の段階の時代であったことから、現代のように便利なWebサービスがたくさんあるわけではありませんでした。例えば、ホームページを作るにも自分で1からHTMLを記述して作る必要がありました。そのため、ミレニアル世代は通信技術やプログラミングなど、ITの基本的な部分に対して深い理解を持っている人が多い世代でもあります。

コト消費よりも所有思考

ミレニアル世代は、日本においては親がバブル世代の人が大半です。そのため、幼少期は贅沢な環境で過ごしている人が多く、考え方も楽観的な傾向にあると言われています。

また、幼少期にサブスクリプションサービスが普及していなかったことから、欲しいものは買って所有するのが当たり前という考えの人が中心です。これは先ほど解説したZ世代のコト消費とは対の考え方と言えるでしょう。