旅行に行く人ならほとんどの人が知っている株式会社エイチ・アイ・エス。サービスはよく知っているけれど、会社の中身まで知っている人は少ないのではないでしょうか。
ここでは就職や転職を考えている人に向け、新卒で2015年~2018年まで働いた元社員がHISは就職や転職におすすめの会社なのか、健康的に働ける職場なのか、ブラック企業ではないかどうかを含めて詳しくご紹介します。
「株式会社エイチ・アイ・エス」の基本情報
英文社名 H.I.S. Co., Ltd.
本社住所 東京都港区虎ノ門4-1-1 神谷町トラストタワー5階
創業年日 1980年12月19日
資本金額 210億4,865万1,015円(2021年7月6日現在)
上場市場 上場(東証1部:会社コード 9603)
従業員数 連結16,323名(2020年10月期)
HISの社風
HISは一言で言うと、体育会系ベンチャーです。支店も多いですが、働いている人は体育会系が多いです。先輩後輩との上下関係が大学の部活のようでした。
仕事でかなり長い時間一緒にいることもあり、先輩や後輩とは仲良くなれます。基本的に根暗な人がいないですし、人間関係でトラブルになることは少なかったです。
熱意があって仕事ができる人がいる反面、退職率は高く毎月誰かが辞めていき、自分の仕事が増えていくということはよくありました。社風が合わない人は1年、2年で辞めていきます。
これは人間関係というよりも、仕事のきつさについていけないということが大きいです。営業職の場合はノルマがありますので、目標を達成できない人はストレスを感じてしまうでしょう。
残業時間は長い?
新人研修後に配属された営業所では、とにかく残業をすることが当たり前の雰囲気がありました。お客さんへの対応などで終電になってしまうことも多かったです。初めは早く帰れることはほとんどなく、ブラック企業レベルでした。
入社してから過重労働撲滅特別対策班が入って書類送検などされたこともあって、上司が残業時間について管理するようになり、早めに退勤を打たなければならなくなりました。そのため、以前に比べて残業時間は大幅に改善されたと思います。
それでも仕事量が多く、その仕事をするためにサービス残業をする人が多いのは事実です。繁忙期は特に忙しく仕事量が多くなるので、残業はある程度覚悟しておいた方が良いでしょう。
一方で、夏休みなどは5日間、冬休みは6日間程度は休めます。旅行会社ですから旅行に行く人が多く、有給が使えないことはありませんでした。私は閑散期に海外旅行によく行っていましたが、周りも協力してくれます。
繁忙期は仕事が多いので、なかなか休みを言い出せる環境ではありません。
年収は低め
残業の量、こなす仕事の幅や作業量に比べて年収は低いと感じました。私が働いていた頃は個人の業績給でインセンティブが大きかったのですが、それでも年収は400万に届きませんでした。同業他社の方が年収が多く残業が少なめでしたので、私は同じ職場でずっと働くということは考えられませんでした。
業績給を選択したものの、毎月の手取りが変わってしまうため、大きな買い物をしてローン払いをするときに予定が組めなかったり、前月より減ってモチベーションが下がるということも多かったです。
基本給は賞与にも直結するため、結果的に年収が少なくなってしまうことがあります。変動がある給与に抵抗がある人にはおすすめできません。
実力主義の側面があるため、ノルマを達成して会社に貢献すれば、それだけ給与に反映されます。できる人は3年目で主任になれますが、ほとんどの人は実力が給与に反映されることは少ないです。研修はありますが、スキルアップは自分の努力次第と言えます。
女性の働きやすさ
女性が多く管理職もいるため、女性であることに対するハラスメントはあまり感じません。育休、産休を取ってから復帰している社員も多いです。
能力があれば性別問わずにキャリアアップしていくことができると思いますが、実際子供ができると時短勤務になっていました。バリバリ働いている人は独身か子供がいない人が多かったです。役職がつくとどうしても残業が多くなるので、ここはまだ男性社会の名残が残っていると感じました。
本社は土日休みですが、店舗は土日も仕事があるため、パートナーや家族の助けが必要だと思います。
会社の将来性
ベンチャー気質からか、スピード感を感じることが多かったです。新しい事業や会社内での変革も多く、今後の成長を感じることは多くありました。
しかし、新事業が直接利益につながっているのかわからず、トップの考えがコロコロ変わっていくことに戸惑いを覚えることも多かったです。いきわたりばったりと感じることもありましたが、新事業が当たればその分利益は大きいです。
大きな会社になったため潰れることはないと思いますが、旅行だけに限らず事業の幅は広がっていくと思います。社内公募も積極的ですから、旅行以外の業務に携わるチャンスもあるかもしれません。
HISの総評・まとめ
HISの就職/転職おすすめ度は5段階中3で、強いストレスへの耐性がない場合はお勧めできません。
【参考】就職/転職おすすめ度とその目安
- 5…ほとんどの人にお勧めできる会社です。
- 4…多少のストレスは許容する必要があります。
- 3…強いストレスへの耐性がない場合はお勧めできません。
- 2…過酷な労働を愛する人以外にはお勧めできません。
- 1…すべての人にお勧めできません。
以前のHISに比べ、残業時間や職場環境は改善していますが、ノルマや仕事量が多いことは変わらず、強いストレスを感じることも多いです。
体育会系の風土があり、能力が発揮できなければ給与に直結し、なかなか昇級もできません。転職で働く場合、実力を発揮したい人なら合うでしょう。