エイチ・アイ・エスへの就職/転職はアリ? 元社員による本音レビュー

本レビューは、元社員による寄稿を、公益の観点からネガティブな内容も含め掲載しています。レビュー内容は一個人の見解であり、当該企業がブラック企業かを断定するものではありません。

腕を組むビジネスパーソン

新規入社や転職先に、株式会社エイチ・アイ・エス(以下「H.I.S」と呼ぶ)を希望している人は少なくないと思います。旅行業界では人気の会社の1つなので、それも当然のことでしょう。しかし、H.I.Sはブラック企業ではないかとのうわさがあります。実際のH.I.Sの職場環境は、どのようなものなのでしょうか。この記事では、2013年から2016年までの間H.I.Sで働いた経験に基づいて、どのような職場環境であったのかについてお伝えします。特に「ブラック企業かどうか」という点に着目しているので、就職先を検討する参考にしてはいかがでしょうか。

株式会社エイチ・アイ・エス」の基本情報

本社住所 東京都港区虎ノ門4-1-1 神谷町トラストタワー5階
設立年日 1980年12月19日
資本金額 11,000百万円(2019年10月31日現在)
従業員数 18,393名(グループ全体 2019年10月31日現在)

ワークライフバランスが非常に悪い職場環境

H.I.Sで働いて気になったのは、ワークライフバランスが取りづらい体質の会社であるという点です。なぜなら、H.I.Sは仕事内容的にどうしても残業が避けられないシステムになっているからです。非常に休みが取りづらく、友人の結婚式であっても何カ月も前から予定していなければ出席が難しいほどでした。

H.I.Sの勤務体系は、早番遅番のシフト体系になっています。しかし、自分のお客様は自分で必ず対処しなければなりません。チームを組んでいてもそれは変わりがないので、シフトがあったとしてもあまり意味がありません。土日や祝日であろうとも、人間相手の仕事なので、お客様の都合がその日にしかあいていないなら、出勤せざるをえません。そのうえ、接客が終わってから事務処理をして帰るので、終電の時間を気にしながら帰宅する毎日でした。残業時間は部署によって変わるとはいえ、どこの部署もおおむねブラック企業レベルの残業体質でした。また、時期によって残業時間が変わります。法人部署では、秋口から年末にかけては残業時間がとても長かったです。

なお、ワークライフバランスには福利厚生の内容が影響を与えます。ですが、H.I.Sは福利厚生があまりよくありませんでした。上述の休日出勤も多くはサービス残業になっていました。職場の備品にあまりお金をかけていないようで、古くなったものを使い続けることが多かったです。くわえて、各種手当の内容がよくありませんでした。

残業問題は意識しているようだ

ただし、H.I.Sに残業時間や労働日数を短くしなければならないという意識がなかったかといえば、それは違うと思います。会社としては残業を避けたいようでした。そのため、「残業をしないように」「36協定を守ろう」「休日出勤はするな」などと社内報などで周知しています。しかし、解決のための具体策がまったくなく、声掛けだけに終わっていました。H.I.Sで仕事をするためには残業が欠かせないのに、その点にはまったく触れようとしません。また、対策も実態に合っていないものがほとんどでした。

H.I.Sの残業対策に、残業時間が増えすぎると他部署へ転属させるというものがあります。これは社外からみれば、残業の対策のように見えるかもしれません。けれども、H.I.Sでは残業しなければなかなか成果があがりません。成果をあげようとすれば転属になってしまうので、給与を一定ラインに押し下げるシステムのように私は感じていました。頑張った結果、転属させられてしまうのでは、仕事へのモチベーションを維持できません。

お客様からの風当たりが厳しい

H.I.Sが安い旅行パックを販売している会社だという認識があるからか、厳しい要望を突きつけてくるお客様が多かったです。少しでも高いと感じると、他社商品と比較され、クレームにつながります。パッケージのサービス内容を説明してもなかなか聞き入れてはもらえません。そのため、成約につながったとしても素直に喜べないことが多くありました。要望に答えようとすればするほど、休日出勤が増え、仕事へのモチベーションが削られていきます。真面目に仕事をこなそうとする社員ほど、疲れをため込んでいるようでした。

H.I.Sの社風

H.I.Sは、会社が抱えている問題は社員が全員で共有しなければならない、という社風です。問題を認識したのであれば、社員が自分で具体案を出して解決するべきだと考えています。会社自体が認識している「長時間の残業」「休日出勤」「お客様からの風当たり」といった問題ですら、社員がその解決策を具体的に提示できないのであれば、まるでなかったかのように扱われてしまいます。たしかに、H.I.Sでは問題の解決策を強要したり、長時間労働の強制や成果が上がらないことにプレッシャーをかけるといった、ハラスメント的な体質はありません。しかし、会社の体質によって起きている問題を積極的に解決しようとする意思もありませんでした。ましてや解決策を社員に求めるのは、理不尽だと感じていました。

また、H.I.Sはどのようなことでもチャレンジすることを重視しています。初めての事柄でも、まず動いてみるべきで、それが成長につながるという考えです。ですが、必要な仕掛けや準備がまったくできていません。そのため、多くの社内制度が見切り発車で始められます。制度がうまく運用できたならよいのですが、社員が混乱しているだけのことが多かったです。気がついたら制度そのものがなくなっていて、活用されたかの評価すらしないことがほとんどです。

なお、H.I.Sでは社員教育のシステムが充実していません。仕事の方法がわからずに行き詰まって、辞めてしまう新入社員も少なくありません。辞めた社員は、会社の気質と合わなかったのだと、H.I.Sは考えているみたいです。この問題は人事異動の際に顕著にでます。H.I.Sは人事異動がものすごく多いです。にもかかわらず、移動先で仕事を覚える教育システムも、仕事を受け継ぐためのシステムもありませんでした。せっかく仕事を自分で覚えても、次の移動先でまた覚え直しになるので、人事異動の度に仕事のモチベーションがさがりました。

H.I.Sの人事評価は成果主義的

H.I.Sでは成果を上げた分に対しては正当に給与が払われていると思います。特に女性社員は、同世代の女性社員と比べて高い年収を稼いでいるのではないでしょうか。H.I.Sは女性の採用率が高いこともあり、年収への不満はあまり聞きませんでした。ですが、それは長時間残業に支えられたものです。また、成果を上げているから給与に反映されるのであって、下支えのような仕事は、ほとんど評価されません。高い営業成績の社員の手伝いを任された社員にはなんの見返りもありません。残業時間ばかりが無駄に増えます。

仕事漬けのストレスに、耐性があまりない人にはおすすめしません

H.I.Sは、残業時間が長く、福利厚生のレベルが高くない企業です。そのため、ライフワークバランスが非常に悪く、充実なプライベートを過ごしたい人には向いていないといえます。さらに、社員を教育する制度が不十分なので、新入社員が仕事を覚えるまで時間がかかります。長時間労働によるストレスが強いのでブラック企業レベルとしては「3」が妥当だと思います。

【参考】ブラック企業レベルとその目安

  • 5…すべての人にお勧めできません。
  • 4…過酷な労働を愛する人以外にはお勧めできません。
  • 3…強いストレスへの耐性がない人にはお勧めできません。
  • 2…他人よりもストレスに弱い人にはお勧めできません。
  • 1…少しブラックなところもある一般的な会社です。