退職代行とは? サービス比較と失敗しない業者の選び方とトラブル例

悩むビジネスパーソン

退職代行とは、会社を退職したい本人に代わり、依頼を受けた業者が会社との間で退職の手続きを行ってくれるサービスを意味します。

退職する本人が、会社の上司とも人事部署とも連絡をとることなく、退職することができるのが特徴です。

「退職の意思を伝えても執拗な引き止めを受ける」、「パワハラ体質の上司が怖くて退職を言い出せない」、「会社が退職者に対して脅迫や嫌がらせを行ってくる」などの、労働者の権利をないがしろにするブラック企業を退職したくてもできない人たちにとって、つらい現状から抜け出すための助けとなるサービスだと言えるでしょう。

退職代行は、2018年頃から多くの業者が参入し、様々な形でサービスを提供していますが、退職の条件交渉には法律的な対応が必要なこともあり、業者の選び方を間違えると、思わぬトラブルを抱える可能性があります。

そこで今回は、退職代行サービスを選ぶ際の注意点や、サービスを提供している業者の比較一覧、退職代行サービスを使うべき人と使うべきでない人について、ご紹介します。

目次

ご覧になりたい項目をクリックすることで、該当箇所に移動することができます。

退職代行サービス利用時の注意点

CAUTION!

労働者が、退職代行サービスを利用して退職すること自体は、法的には何の問題もありません。

トラブルになるのは、退職代行業者の選び方を間違えた場合と、会社が法律を無視して退職に抵抗した場合になります。

トラブルにあわないために、それぞれの注意点について具体的に見ていきましょう。

退職代行業者の選び方を間違えた場合

退職代行行為は、「会社側への退職意思の伝達」と「会社側との退職条件の交渉」の二つにわけることができます。

通常は、前者の「会社側への退職意思の伝達」だけで退職手続きは完了するのですが、会社側が退職をすんなりと受け入れてくれず、「会社側との退職条件の交渉」が発生した場合が問題となります。

「会社側への退職意思の伝達」は、代行するのに特別な資格等は必要ありませんが、後者の「会社側との退職条件の交渉」は、法律上、法律事務として扱われ、有償で代行するためには弁護士資格が必要となるのです。(弁護士法第72条)

そのため、弁護士資格を保有していない業者に依頼してしまうと、会社側との退職条件の交渉ができないため、極端な例では、「退職金がなくなる」、「有給休暇の消化がなくなる」などといった不利な条件を課されてしまう可能性があります。

また、依頼した業者が、弁護士資格を保有していないにもかかわらず、会社側と退職条件の交渉を行おうとして、会社側から違法行為を指摘され、「退職自体が無効だと主張される」可能性も出てきます。

弁護士資格を保有していない業者とは、法律上、退職に関する法律相談すらできませんので、きちんと弁護士が対応してくれる退職代行サービスを選ぶことが推奨されます。

会社が法律を無視して退職に抵抗した場合

辞めるのに退職代行サービスを利用しなければならないような会社は、どこかしらかに問題を抱えるブラック企業であることがほとんどです。

いざ社員が退職代行サービスを利用して辞めようとした際に、どのような法律を無視した嫌がらせをしてくるかわかりません。

例えば、「退職の手続きを進めてもらえない」、「不当な理由で損害賠償請求をされる」、「不当な理由で懲戒解雇処分を下される」などといった可能性が考えられます。

基本的にこれらの行為は、法律的な根拠のない一方的な嫌がらせにすぎません。しかし、万が一実行されてしまうと、正当な退職を勝ちとるために、法的な知識をもとにした対処が必要となってしまいます。

そのような不意の出来事に対応できるようにするためにも、法的な観点で問題に対処できる弁護士が所属している退職代行サービスに依頼をするのが正解だと言えるでしょう。

退職代行サービスの選び方

握手をするビジネスパーソンたち

前述のとおり、退職代行サービスを利用する際には、様々なトラブルの可能性があります。

それらのリスクを最小限に抑え、スムーズに目的を達成するための退職代行サービスの選び方は以下のとおりです。

  • 金額が多少高くても弁護士が対応してくれるサービスを選ぶ
  • インターネット上で業者名やサービス名を検索して悪い評判がないか確認する
  • まずは問い合わせや相談をして本当にその業者に依頼するか決める

業者側がいくら「弁護士が対応します」と言っても、それが本当かどうかはわかりません。どのような業界にも悪質な業者はいるものです。

インターネット上で口コミを確認したり、依頼前にコンタクトをとってみて、退職の条件交渉まで法的に対応できるのかや、会社側が違法に抵抗してきた場合に対処が可能なのかなどの事項を確かめてみることが、自分自身を守ることにつながっていくことでしょう。

退職代行サービスの比較一覧表

それでは、実際に退職代行サービスを提供している主な業者をご紹介します。

気になる業者があれば、それぞれのサービスの詳細情報を確認し、まずは問い合わせをしてみることをお勧めします。
(※サービス名をクリックすることで、各サービスの詳細情報ページを閲覧できます。)

サービス名提供団体金額アピールポイント
退職110番弁護士法人あおば¥43,800弁護士対応/即日対応/全額返金保証あり
弁護士法人みやびの退職代行弁護士法人みやび¥55,000弁護士対応/完全退職までサポート/LINEメールで24時間対応
退職代行ガーディアン東京労働経済組合¥29,800法適合の合同労働組合/即日対応/確実に退職
退職代行Jobs株式会社アイリス¥29,800顧問弁護士指導の適正業務/即日対応/全額返金保証あり
男の退職代行株式会社インクル¥29,800即日退職可能/退職成功率100%/全額返金保証あり
わたしNEXT株式会社インクル¥29,800即日退職可能/退職成功率100%/全額返金保証あり

金額に関しては、弁護士が対応すると明言しているところがやや高めの設定となっており、他の業者はそれより低めの同じ水準に設定しているようです。

退職代行サービスを使うべき人・使うべきでない人

マルとバツで悩む女性

最後に、様々なリスクも伴う退職代行サービスを、どのような場合に利用すべきなのかをまとめてみました。

前提として、退職代行サービスの利用は最後の手段です。利用しないで、円満に自身の手で退職できるに越したことはありません。

退職代行サービスを使うべき人

「退職の意思を伝えても執拗な引き止めを受ける」、「パワハラ体質の上司が怖くて退職を言い出せない」、「会社が退職者に対して脅迫や嫌がらせを行ってくる」など、自分一人の力で退職することが難しい状況に置かれている人は、退職代行サービスを利用することをお勧めします。

人は、会社や上司、同僚のために働いているわけではなく、自分自身の人生を幸せに生きるために働いているのです。

本来、退職は、会社側の承認すら不要な、労働者側からの一方的な意思表示により行使できる法的に守られた権利です。違法に退職を妨げるような会社への迷惑など考える必要はありません。

民法第627条第1項

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

退職したくてもできない状況で、正常な判断ができなくなるまで追いつめられてからでは手遅れになってしまいます。

我慢して働き続けることの危険性については、以下の記事にまとめてあります。ご参照ください。

人はなぜ死ぬまで働いてしまうのか、仕事が原因で死んでしまうのか
オフィスにおいて、過労死や自殺といった形で、人々は日常的に命を落としています。死ぬまで無理して働かなければいい、死ぬほど追いつめられているなら仕事を辞めればいい、そう思う人も多いことでしょう。なぜ、人々は死ぬまで働いてしまうのでしょうか。

退職代行サービスを使うべきでない人

上記の「退職代行サービスを使うべき人」に該当しない人は、原則として退職代行サービスの利用は行わない方がよいでしょう。

きちんとした業者に依頼すればその可能性はほとんどないとは言え、退職代行サービスの利用には、会社側と散々もめた末に結局自分自身の手で退職の手続きを行わなければならなくなったり、会社から損害賠償請求の訴訟を起こされたり、懲戒解雇処分などの嫌がらせを受けたりするリスクが存在します。

また、退職代行サービスの利用は、会社側から退職者に対して、ネガティブな感情が生まれることは間違いありません。引き継ぎなどの面で迷惑をかけることになる元同僚たちとの人間関係の維持も難しくなるでしょう。

その場合、アルムナイ採用と呼ばれる退職者の再雇用制度の利用や、元同僚の人脈を頼った転職の道は閉ざされ、将来のキャリアプランがいくらか狭まってしまいます。

自身の人生の長期的な幸せのために、どうしても退職代行サービスを利用する必要がある場合以外は、まずは上司に退職したい旨の相談をし、会社のルールに則って退職の手続きを進めることをお勧めします。

なお、退職届や退職願の書き方など、退職代行サービスを利用しない場合の退職に役立つ情報を、以下の記事で詳しくご紹介しています。ご参考にしていただければ幸いです。

退職届、退職願の書き方と例文 - 手書き? 横書き? 封筒は? いつまで?
退職届と退職願と辞表の違いから、書き方、ルール、上司に引き止められたときの考え方まで、退職時に必要な事柄をご紹介します。そのまま使える退職届と退職願の例文、フォーマットもご用意しています。また、コロナ禍で増えたテレワーク時の進め方にも言及。