なるはやとは、日本語の「なるべく早く」を省略した言葉で、主に業務やタスクを、期限を設定することなく、「なるべく早く」実施してほしい、お願いしたいときなどに使用するビジネス用語です。
同じ意味のビジネス用語としては、「ASAP」があります。日本語と英語では、若干ニュアンスの違いや、受け取る側の印象の違いも出てくるので、あわせてご確認ください。
社外や目上の人相手には使わない
「なるはや」は、くだけた表現であり、基本的には親しい間柄で使用する言葉です。
部下や後輩、気心知れた同僚に対して使用するのが一般的であり、社外の取引先や、上司や先輩を相手にした際にはふさわしい言葉ではないため、何かをお願いする際に「なるはやでお願いいたします」などと、使わないように注意しましょう。
なるはやはいつまでに対応すべきなのか
本来、仕事をする上で、業務やタスクはいつまでに行うかのスケジュール、期限を設定してから進行します。それでは、「なるはやでお願いしたい」という期限を設定しない依頼をされた場合は、いつまでに行うのが適切なのでしょうか。
実は、「なるはや」と一言で言っても、使う側の心理としては二つのパターンがあり、その切迫度は大きく異なります。
本当になるべく早く、今すぐにでも行ってほしいパターン
「なるはや」が、言葉のとおり、プライオリティを最優先にして、可能なかぎり早く、できることなら今すぐにでも対応してほしいときに使われることがあります。
この場合、何日の何時までに完了させる必要があるのかを確認し、依頼主と依頼相手で細かい期限をフィックスさせておくことが大切です。
「なるはや」と言えども、デッドの締め切りは存在しています。会議に使う資料やデータであるならば、会議がいつなのか、確認や修正の時間を考えると、初回の提出をいつまでに行わなければならないのかなど、スケジューリングを行い、もし達成が難しそうであるならば、早めに代替案を相談する必要があります。
期限が特にないので、可能な範囲で行っておいてほしいパターン
「なるはや」が、「期限は特にないので、スケジュールの都合を見て、適当にやっておいて」という意味で使われることがあります。
この場合、プライオリティを低く設定することで、いつまでも実施されないままになってしまうことがあります。期限がない場合でも、自分なりのスケジュール、期限を切り、依頼主と依頼相手でスケジュール感をフィックスしておきましょう。
また、実は依頼主が、すぐではないけれども、いつまでにやっておいてほしいという気持ちを、伝えることなく持っていることがあります。やはり、いつまでに実施すべきかの確認は必要だと言えるでしょう。
なるはやと言われても、期限を設定する
上記の二つのパターンに共通して言えることは、「なるはや」と言われた際は、どのような場合であっても、期限の確認と設定が必要だということです。
また、依頼する側になった際は、なるべく「なるはや」というあいまいな言葉は使わず、期限を明示してお願いすることが、業務進行上の事故防止につながるでしょう。