残念ながら、世の多くの上司が部下に嫌われています。
中には、「上司は嫌われてナンボ」などと、嫌われて当たり前、むしろ嫌われていることが上司の証なのだという考えが出てくるほどに、大半の上司は部下に嫌われています。
しかし、一部の優秀な上司は、部下に嫌われることなく、良好な関係を築いた上で、適切なマネジメントを行っているものです。
部下に嫌われることを正当化している上司は、自身のマネージャーとしての能力のなさをごまかしているにすぎません。
今回は、部下に嫌われずに、上司としての役割をはたしていくための注意点について、ご紹介していきたいと思います。
部下に嫌われないための2つの基本要素
部下に嫌われないために、上司に必要とされる基本要素は以下の2つになります。
- 人格
- 実務能力
それぞれについて、具体的に見ていきたいと思います。
部下に嫌われないための「人格」
「人格」は、当然のことながら人の好き嫌いを左右する大事な要素です。
しかし、上司には人格に問題がある、嫌な人が多いものです。部下を持つまでは比較的まともだった人が、管理職になった途端に変わってしまったという話も少なからず聞きます。いったい、なぜなのでしょうか。
上司がえらいという先入観
人は与えられた役割を演じようとします。上司という会社で仕事として与えられた役割であれば、なおさら真面目に演じようとすることでしょう。
しかし、自分に自信がない人ほど、部下になめられることを恐れ、形から入ろうとしてしまいます。
そのようなときに、人が影響を受けるのは、演じる対象について自身が今までの人生で見聞きしてきた情報です。「上司」になろうとする人が影響を受けるのは、多くの場合、自身の今までの上司や、物語の中で見てきた典型的な上司像から抽出された、「上司っぽいイメージ」になるでしょう。
そこで多くの人が、不幸なことに「上司はえらい」という先入観を得てしまいます。
以下のような単なる上司の役割にすぎない事柄が、
- 部下に指示をする
- 部下に注意、指導をする
- 部下を管理、評価する
「上司はえらい」という先入観により、以下のような勘違いに変貌してしまいます。
- 上司はえらいので、部下に指示をする
- 上司はえらいので、部下に注意、指導をする
- 上司はえらいので、部下を管理、評価する
結果として、
- 上司はえらいので、部下を「くん」づけや呼び捨てで呼ぶ
- 上司はえらいので、部下を飲みに付き合わせてもよい
- 上司はえらいので、部下が嫌がることをしてもよい
などという考えにまで発展してしまう人もめずらしくありません。
今どき、そういう上司は嫌われてしまいます。
上司はえらくないことを認識する
上司は別にえらくありません。
部下に指示をするのも、注意、指導をするのも、管理、評価をするのも、すべて仕事上の役割にすぎません。
部下が上司の指示に従うべきなのは、組織運営をスムーズにするための会社のルールであり、決して上司が部下よりも人間としてえらいからではありません。
そのため、飲みの席など、業務時間外に、部下が上司の言うことを聞くべき理由はありません。
今どきは、部下や後輩を「くん」づけや呼び捨てで呼ぶのも避けた方が無難でしょう。
尊敬は、上司だからされるのではなく、その人物の部下に対する日々の言動から自然と生まれて、育まれていくものであることを認識する必要があります。
確かにえらぶるのは気持ちがよい
それでも人は部下に対してえらぶりたくなります。
それは、人が多かれ少なかれ持っている、プライド、虚栄心、承認欲求が原因です。
そのような、自身が持っている本能を抑えてこそ、嫌われない上司に近づけると言えます。
シゴトコには、部下に嫌われない「人格」になるために役立つ、以下のような記事もあります。興味のある方はぜひご覧ください。
部下に嫌われないための「実務能力」
いくら「人格」がすばらしくても、仕事ができない、「実務能力」に欠けた上司は、いるだけで部下の仕事の邪魔となり、気持ちを逆なでする存在となります。
部下からは、それで高い給料をもらっていると思われるのですから、当然、嫌われてしまいます。
しかし、上司、管理職として必要とされる「実務能力」は、プレイヤーだったときのそれとは大きく異なります。
シゴトコでは、上司、管理職の方が、「実務」を行う上で役に立つ記事を、以下のように複数ご用意しております。気になる記事をご参照いただき、部下に嫌われない「実務能力」を培うための一助としていただければ幸いです。